健診センター受診者にみられた顕微鏡的血尿の検討

昭和56年から61年までの6年間に顕微鏡的血尿もしくは尿潜血を指摘された健診センター受診者を集計し尿路癌について検討したので報告する。 受診者は合計27,513名 (M; 17,918, F; 9,595) で, 血尿は男2,536名 (14.2%), 女2,791名 (29.1%) が, 潜血は男3,356名 (18.7%), 女3,635名 (38.2%) が指摘された。 二次検診の結果, 11名に尿路癌 (膀胱8, 前立腺2, 腎1) が発見され, 血尿陽性者の0.21%, 潜血陽性者の0.16%に相当した。発見率は男女別には男性が, 年代別には60才代が高かった。検診において指摘された...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 38; no. 1; pp. 30 - 33
Main Authors 寺井, 継男, 小泉, 直美, 塩崎, 正樹, 山口, 潤, 吉川, 隆志, 石丸, 修, 飴田, 要, 後藤, 敏明, 坂下, 茂夫, 河合, 弘子, 田村, 裕恵, 飯居, サト子, 丸子, 幸江, 平川, 和志, 若原, 幸枝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 01.05.1989
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.38.30

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Summary:昭和56年から61年までの6年間に顕微鏡的血尿もしくは尿潜血を指摘された健診センター受診者を集計し尿路癌について検討したので報告する。 受診者は合計27,513名 (M; 17,918, F; 9,595) で, 血尿は男2,536名 (14.2%), 女2,791名 (29.1%) が, 潜血は男3,356名 (18.7%), 女3,635名 (38.2%) が指摘された。 二次検診の結果, 11名に尿路癌 (膀胱8, 前立腺2, 腎1) が発見され, 血尿陽性者の0.21%, 潜血陽性者の0.16%に相当した。発見率は男女別には男性が, 年代別には60才代が高かった。検診において指摘された血尿と発見された疾患との直接的な関連については疑問もあるが, 泌尿器科的疾患の検診制度の確立されていない今日, 血尿が泌尿器科的検索の動機となったことに意味があると思われる。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.38.30