地盤調査と斜面安定解析に基づく土砂災害危険渓流の豪雨時危険度評価
本研究は,4箇所の土砂災害危険渓流で地盤調査を行って渓流をモデル化し,降雨浸透解析と斜面安定解析から各渓流の豪雨時における危険度評価を行ったものである。まず2人が一箇所の渓流をほぼ一日で調査できる軽量動的コーン貫入試験を用いた実用的な渓流の地盤調査方法を示した。室内の降雨浸透実験と一次元降雨浸透解析から,一定の強度の降雨が連続する場合には,地盤面で形成され降下する高含水比帯の体積含水率と飽和度,降下速度が降雨強度によって決まることがわかった。さらに,高含水比帯が基盤に達した以降において降雨とともに二次元斜面内で地下水位の上昇を計算する式を導いた。これらの結果から所定の強度の降雨が連続した場合に...
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Published in | 地盤工学ジャーナル Vol. 8; no. 1; pp. 119 - 131 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 地盤工学会
2013
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-6341 |
DOI | 10.3208/jgs.8.119 |
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Summary: | 本研究は,4箇所の土砂災害危険渓流で地盤調査を行って渓流をモデル化し,降雨浸透解析と斜面安定解析から各渓流の豪雨時における危険度評価を行ったものである。まず2人が一箇所の渓流をほぼ一日で調査できる軽量動的コーン貫入試験を用いた実用的な渓流の地盤調査方法を示した。室内の降雨浸透実験と一次元降雨浸透解析から,一定の強度の降雨が連続する場合には,地盤面で形成され降下する高含水比帯の体積含水率と飽和度,降下速度が降雨強度によって決まることがわかった。さらに,高含水比帯が基盤に達した以降において降雨とともに二次元斜面内で地下水位の上昇を計算する式を導いた。これらの結果から所定の強度の降雨が連続した場合に対する4箇所の渓流の安全率の経時変化を計算し,それぞれの危険度を定量的に比較することができることを示した。 |
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ISSN: | 1880-6341 |
DOI: | 10.3208/jgs.8.119 |