飼料イネ栽培における水収支と窒素動態
本研究は, 飼料イネ栽培における水環境への負荷と窒素除去率の評価を目的として, 熊本県立大学研究圃場内水田で飼料イネを植栽して実験を行った。飼料イネ栽培水田の水収支 (流入:給水・降水, 流出:表面流出・蒸発散・地下浸透) と窒素動態 (流入:給水・降水・肥料, 流出:表面流出・地下浸透, その他:植物体・未回収) を2年間 (2019年, 2020年) 調査した。飼料イネ栽培における水環境への負荷は, 大部分が地下浸透による窒素流出であり, 地下浸透と表面流出の合計が2019年では9.1 kg N ha-1, 2020年では34.1 kg N ha-1と水田への窒素流入量に対してきわめて少な...
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Published in | 水環境学会誌 Vol. 47; no. 2; pp. 63 - 73 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本水環境学会
2024
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Subjects | |
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Summary: | 本研究は, 飼料イネ栽培における水環境への負荷と窒素除去率の評価を目的として, 熊本県立大学研究圃場内水田で飼料イネを植栽して実験を行った。飼料イネ栽培水田の水収支 (流入:給水・降水, 流出:表面流出・蒸発散・地下浸透) と窒素動態 (流入:給水・降水・肥料, 流出:表面流出・地下浸透, その他:植物体・未回収) を2年間 (2019年, 2020年) 調査した。飼料イネ栽培における水環境への負荷は, 大部分が地下浸透による窒素流出であり, 地下浸透と表面流出の合計が2019年では9.1 kg N ha-1, 2020年では34.1 kg N ha-1と水田への窒素流入量に対してきわめて少ないことがわかった。飼料イネを植栽した水田における窒素除去率は90%以上であった。また, 2020年では脱窒により184.8 kg N ha-1 (全窒素流入量の約4割) , 飼料イネの収穫により163.1 kg N ha-1 (全窒素流入量の約4割) の窒素が除去されることが確認された。 |
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ISSN: | 0916-8958 1881-3690 |
DOI: | 10.2965/jswe.47.63 |