心電図自動診断の精度評価ならびに有用性向上へのアプローチ 第2報:汎用心電計による心電図自動診断精度の現状と問題点

「I. 背景」コンピュータを用いた心電図の自動診断は, 1960年にPipbergerらによって最初の試みが報告され, 続いて我が国からも岡島ら, 木村ら, 松尾らが次々と新たな自動診断システムを発表し, 一気に実用化が進んだ. その後も診断精度をより高めるため, 心電計メーカーはそれぞれ詳細で正確な心電図波形計測とそれに基づくより的確な診断アルゴリズムを構築する努力を重ねており, 最新の成果を踏まえた自動解析プログラムが各社の汎用心電計に搭載されている. しかしその診断精度は, すでに半世紀を超えて改良が重ねられてきた現在でも, 心電図専門家にとっては決して満足できるものではない. 一方で汎...

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Published in心電図 Vol. 40; no. 4; pp. 263 - 271
Main Authors 住友, 直方, 平岡, 昌和, 加藤, 貴雄, 八島, 正明, 髙橋, 尚彦, 渡邉, 英一, 森田, 宏, 植田, 典浩, 笠巻, 祐二, 池田, 隆徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 23.12.2020
日本不整脈心電学会
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.40.263

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Summary:「I. 背景」コンピュータを用いた心電図の自動診断は, 1960年にPipbergerらによって最初の試みが報告され, 続いて我が国からも岡島ら, 木村ら, 松尾らが次々と新たな自動診断システムを発表し, 一気に実用化が進んだ. その後も診断精度をより高めるため, 心電計メーカーはそれぞれ詳細で正確な心電図波形計測とそれに基づくより的確な診断アルゴリズムを構築する努力を重ねており, 最新の成果を踏まえた自動解析プログラムが各社の汎用心電計に搭載されている. しかしその診断精度は, すでに半世紀を超えて改良が重ねられてきた現在でも, 心電図専門家にとっては決して満足できるものではない. 一方で汎用心電計は, 循環器領域に限らず臨床第一線の医療機関や健康診断などの際に広く用いられており, 必ずしも心電図を専門としない医師も含む幅広い医療従事者が, さまざまな場面でさまざまな医療行為の一助として利用しているのが現状である.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.40.263