肺障害を合併した70歳以上の関節リウマチ患者に対するアバタセプトの長期成績 当院でのアバタセプト (ABT) 投与後3年経過例106例の検討から

「はじめに」 2015年の国勢調査によれば, 65歳以上人口は総人口の26.6%であり, 現在はすでに4人に1人が高齢者という「超高齢社会」といえる. さらに, 2018年には75歳以上の人口が, 65~74歳人口を上回ると予測され, これからは「高齢者」の高齢化が進んでいく社会といわれている. 当院でも2017年11月から2018年1月までの3か月間に通院された関節リウマチ患者1,013人のうち70歳以上例の割合は43.2%に達し, 2020年には患者の約半数が70歳以上となる勢いである. 高齢化が進む一方で腎機能は年齢とともに衰え, 関節リウマチ症例では慢性腎臓病に該当するeGFR: 60...

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Published in日本関節病学会誌 Vol. 37; no. 2; pp. 77 - 85
Main Authors 岡里, 拓郎, 鵜飼, 康二, 井上, 彰, 綾部, 敬生, 大関, 健司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本関節病学会 2018
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ISSN1883-2873
1884-9067
DOI10.11551/jsjd.37.77

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Summary:「はじめに」 2015年の国勢調査によれば, 65歳以上人口は総人口の26.6%であり, 現在はすでに4人に1人が高齢者という「超高齢社会」といえる. さらに, 2018年には75歳以上の人口が, 65~74歳人口を上回ると予測され, これからは「高齢者」の高齢化が進んでいく社会といわれている. 当院でも2017年11月から2018年1月までの3か月間に通院された関節リウマチ患者1,013人のうち70歳以上例の割合は43.2%に達し, 2020年には患者の約半数が70歳以上となる勢いである. 高齢化が進む一方で腎機能は年齢とともに衰え, 関節リウマチ症例では慢性腎臓病に該当するeGFR: 60mL/分/1.73m2未満例は70歳代では30%を超え, 80歳以上では40%以上に上るという報告があり, 高齢化とともに死亡, 末期腎不全, 心血管死亡発症のリスクが高い重症な慢性腎臓病(CKD)合併例が急増すると考えられる.
ISSN:1883-2873
1884-9067
DOI:10.11551/jsjd.37.77