耳鳴の擬声語表現における音響的特徴と類似性 数量化理論3類による解析

標準耳鳴検査法1993の自覚的表現の検査で得られた一側性で1種類の242名の耳鳴患者について, 数量化理論3類を用いて擬声語の音響的特徴と類似性を解析した。その結果, 第1軸は耳鳴音の迫力因子を表し, 第2軸は耳鳴音の清濁感 (美的因子), 第3軸は耳鳴音の高低感 (金属因子) と推測された。これらから, キーンとジーンの擬声語表現は, 清濁感が異なることが明らかとなった。またクラスタ分析によって, ミーンとシーン, ピーとブーン, ウーンとワーン, ザーとシャーなどの擬声語は, ほぼ同じ音響的特徴が類似していることが示された。これらの結果は, 医学的治療の前後に耳鳴の擬声語表現の音響的特徴に...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 47; no. 3; pp. 168 - 174
Main Authors 末田, 尚之, 福與, 和正, 曽田, 豊二, 加藤, 寿彦, 白石, 君男, 坂田, 俊文, 森本, 久美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 28.06.2004
日本聴覚医学会
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.47.168

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Summary:標準耳鳴検査法1993の自覚的表現の検査で得られた一側性で1種類の242名の耳鳴患者について, 数量化理論3類を用いて擬声語の音響的特徴と類似性を解析した。その結果, 第1軸は耳鳴音の迫力因子を表し, 第2軸は耳鳴音の清濁感 (美的因子), 第3軸は耳鳴音の高低感 (金属因子) と推測された。これらから, キーンとジーンの擬声語表現は, 清濁感が異なることが明らかとなった。またクラスタ分析によって, ミーンとシーン, ピーとブーン, ウーンとワーン, ザーとシャーなどの擬声語は, ほぼ同じ音響的特徴が類似していることが示された。これらの結果は, 医学的治療の前後に耳鳴の擬声語表現の音響的特徴における変化を比較するのに有用であるかもしれない。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.47.168