亜硫酸耐性酵母の分離とワイン醸造への利用

外国産濃縮ぶどう搾汁から, 高濃度亜硫酸の存在下でも発酵する酵母の分離を試み6沫を得た。その中のCJ-1はSchizosaccharomyces pombeに属する酵母で総亜硫酸1,000ppmでも発酵したが, これを用いて試醸した結果良いワインは得られなかった。他の5株CJ-2-6はSaccharomyces rouxiiで, いずれもワイン酵母OC-2より亜硫酸耐性が強かった。CJ-2を使用したワインは, 特に悪い香味はなかったが, 残糖分が多かった。よってCJ-2とOC-2との併用を検討した。その結果, OC-2では発酵できなかった高濃度亜硫酸の濃縮ぶどう搾汁から, 良質のワインを製造す...

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Published in日本釀造協會雜誌 Vol. 76; no. 9; pp. 624 - 628
Main Authors 中野, 敏夫, 薄井, 隆, 杉本, 仁太郎, 根元, 茂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本醸造協会 1981
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ISSN0369-416X
2186-4004
DOI10.6013/jbrewsocjapan1915.76.624

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Summary:外国産濃縮ぶどう搾汁から, 高濃度亜硫酸の存在下でも発酵する酵母の分離を試み6沫を得た。その中のCJ-1はSchizosaccharomyces pombeに属する酵母で総亜硫酸1,000ppmでも発酵したが, これを用いて試醸した結果良いワインは得られなかった。他の5株CJ-2-6はSaccharomyces rouxiiで, いずれもワイン酵母OC-2より亜硫酸耐性が強かった。CJ-2を使用したワインは, 特に悪い香味はなかったが, 残糖分が多かった。よってCJ-2とOC-2との併用を検討した。その結果, OC-2では発酵できなかった高濃度亜硫酸の濃縮ぶどう搾汁から, 良質のワインを製造することができた。
ISSN:0369-416X
2186-4004
DOI:10.6013/jbrewsocjapan1915.76.624