法改正前後の膵移植術式の変遷「どうする再建法」

2010年の改正法施行,脳死ドナーの増加に伴い,膵移植も増加した.法改正前後で,背景をPSM法で調整,1,3,5年Death cesored膵グラフト生着率を比較したところ,改正前が90.5,83.1,78.2%であったのに対して,改正後は94.9,92.0,92.0%と有意差はないものの,改善が認められた.成績向上の一因は,移植機会増加による手術手技の修練がもたらしていると考えられる.具体的な手術手技の変遷については,本邦登録データより集計し,表1にまとめた.法改正前と比較し法改正後では,Carrel patchによる動脈再建,門脈延長無し,腸管ドレナージという術式が多く選択されていることが...

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Published in移植 Vol. 58; no. Supplement; p. s201_1
Main Authors 伊藤, 泰平, 剣持, 敬, 栗原, 啓, 會田, 直弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2023
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Summary:2010年の改正法施行,脳死ドナーの増加に伴い,膵移植も増加した.法改正前後で,背景をPSM法で調整,1,3,5年Death cesored膵グラフト生着率を比較したところ,改正前が90.5,83.1,78.2%であったのに対して,改正後は94.9,92.0,92.0%と有意差はないものの,改善が認められた.成績向上の一因は,移植機会増加による手術手技の修練がもたらしていると考えられる.具体的な手術手技の変遷については,本邦登録データより集計し,表1にまとめた.法改正前と比較し法改正後では,Carrel patchによる動脈再建,門脈延長無し,腸管ドレナージという術式が多く選択されていることが分かった.また,当科におけるRCTでは,膵頭部の動脈アーケードが確認できれば,CHA-GDAのI-graft再建の必要がないことが確認されている.膵移植の再建法について,最近の本邦のトレンドを解説する.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.58.Supplement_s201_1