鉄系超伝導物質(<小特集>鉄系超伝導体)

2006年7月にLaFePOで最初に報告された鉄ニクタイド系超伝導は,2008年2月の臨界温度26KのLaFeAsO_<1-x>F_xの論文発表を契機に世界的に研究が活発化し,現在までに1,000を超える論文が報告されている.これまでに報告された同系超伝導物質は,結晶構造から5つに大別され,いずれも鉄とニクトゲン(またはカルコゲン)から構成される層を構成要素としている.すべての鉄は同一平面上に位置し,その平面の上下に位置するニクトゲンによって四面体的に配位されている.本稿では,5つの鉄系超伝導物質と,それらの臨界温度と局所構造の相関について概説する....

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Published in日本物理学会誌 Vol. 64; no. 11; pp. 807 - 817
Main Authors 細野, 秀雄, 松石, 聡, 野村, 尚利, 平松, 秀典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本物理学会 05.11.2009
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Summary:2006年7月にLaFePOで最初に報告された鉄ニクタイド系超伝導は,2008年2月の臨界温度26KのLaFeAsO_<1-x>F_xの論文発表を契機に世界的に研究が活発化し,現在までに1,000を超える論文が報告されている.これまでに報告された同系超伝導物質は,結晶構造から5つに大別され,いずれも鉄とニクトゲン(またはカルコゲン)から構成される層を構成要素としている.すべての鉄は同一平面上に位置し,その平面の上下に位置するニクトゲンによって四面体的に配位されている.本稿では,5つの鉄系超伝導物質と,それらの臨界温度と局所構造の相関について概説する.
ISSN:0029-0181
2423-8872
DOI:10.11316/butsuri.64.11_807_2