JOTコーディネーターの役割とRTCとの円滑な連携における課題と取組み
JOTコーディネーターは、臓器提供から臓器移植までの一連のプロセスにおける関係者間の調整役を担う。業務内容はあっせん業務と支援業務であり、あっせん業務とは、(1)臓器提供が発生した医療機関内での活動、(2)移植候補者の登録施設への連絡調整、(3)移植を受ける登録者の順位づけ、(4)移植希望者の登録業務や保存血清の収集等の基盤整備である。支援業務とは、(1)終末期患者家族への臓器提供の情報提供と臓器提供にかかる意思決定支援、(2)グリーフケアの視点に基づく家族支援、(3)臓器提供後の家族支援、(4)移植後経過報告やサンクスレター授受等の基盤整備である。本邦における臓器提供はコロナ禍を経て増加傾向...
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Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 58; no. Supplement; p. s134_2 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2023
The Japan Society for Transplantation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.58.Supplement_s134_2 |
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Summary: | JOTコーディネーターは、臓器提供から臓器移植までの一連のプロセスにおける関係者間の調整役を担う。業務内容はあっせん業務と支援業務であり、あっせん業務とは、(1)臓器提供が発生した医療機関内での活動、(2)移植候補者の登録施設への連絡調整、(3)移植を受ける登録者の順位づけ、(4)移植希望者の登録業務や保存血清の収集等の基盤整備である。支援業務とは、(1)終末期患者家族への臓器提供の情報提供と臓器提供にかかる意思決定支援、(2)グリーフケアの視点に基づく家族支援、(3)臓器提供後の家族支援、(4)移植後経過報告やサンクスレター授受等の基盤整備である。本邦における臓器提供はコロナ禍を経て増加傾向にあり、2023年は4月末時点で60件と臓器提供が最多であった2019年を上回る。臓器提供の急増が見込まれる中、JOTでは登録業務の効率化や移植後経過報告のシステム化など基盤整備の拡充に取り組んできた。また、ドナー家族への意識調査に基づく家族支援ツールの作成や専任臨床心理士の配置など、医療機関と連携した支援業務の強化や専門的心理サポートの実践に努めている。臓器移植の円滑な実施には、これら基盤整備の他にレシピエントコーディネーター(RTC)と互いの専門性や業務の相互理解を図り、役割を尊重した関りが重要と考えるが、その実態は見えにくいように感じる。今回、JOTコーディネーターの役割と取組みを報告するとともに、RTCとの円滑な連携のあり方を考える。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.58.Supplement_s134_2 |