ヒトCD47及びCL-SP-Dによるヒト好中球誘導性異種拒絶反応の抑制作用の検討
【目的】自然免疫細胞による拒絶反応の研究において、ヒトCD47と肺胞蛋白SP-Dを抑制受容体であるSignal Regulatory Proteinα(SIRPα)と結合させることでマクロファージの貪食作用を制御することが報告されている。今回我々は、ヒトCD47及びCL-SP-D(膜型SP-D)遺伝子をブタ血管内皮細胞(SEC)に発現させ、好中球による異種拒絶反応の抑制効果を検討した。【方法】好中球細胞株HL-60及び末血好中球上のSIRPαの発現を調べた。CD47又はCL-SP-Dを組み込んだプラスミドをSECに遺伝子導入することで細胞膜上に発現させ、CD47発現又はCL-SP-D発現 SE...
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Published in | 移植 Vol. 58; no. Supplement; p. s316_1 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2023
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Summary: | 【目的】自然免疫細胞による拒絶反応の研究において、ヒトCD47と肺胞蛋白SP-Dを抑制受容体であるSignal Regulatory Proteinα(SIRPα)と結合させることでマクロファージの貪食作用を制御することが報告されている。今回我々は、ヒトCD47及びCL-SP-D(膜型SP-D)遺伝子をブタ血管内皮細胞(SEC)に発現させ、好中球による異種拒絶反応の抑制効果を検討した。【方法】好中球細胞株HL-60及び末血好中球上のSIRPαの発現を調べた。CD47又はCL-SP-Dを組み込んだプラスミドをSECに遺伝子導入することで細胞膜上に発現させ、CD47発現又はCL-SP-D発現 SECを作製した。作製したCD47発現SEC又はCL-SP-D発現 SECと、controlとしてナイーブSECを用いてHL-60又は好中球と24時間共培養をした。共培養後、吸光高度計にて生細胞数を計測し、細胞障害度を算出した。【成績】HL-60及び末血中の好中球のSIRPα/βの発現を確認した。また、CD47は単に抑制傾向を示したのみであったが、CL-SP-DはHL-60及び好中球による細胞障害を有意に抑制した。【結論】CL-SP-Dが好中球による異種拒絶反応においても有効であることが判明した。また、CCD47より有意な抑制を示した。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.58.Supplement_s316_1 |