輪状濾紙を用いた新規アッセイ法の検討とMU配糖体の活性評価

マツノザイセンチュウを原因とするマツ材線虫病の防除策として薬剤散布や樹幹注入剤などが用いられているが、環境への影響からより安全な防除対策の確立が求められている。本研究ではまず、これまでの綿球試験法に代わる簡便かつ数値化による評価ができる新規アッセイ法の検討を行った。その方法として、綿球の代わりに輪状濾紙を用いた新規アッセイ法を検討した。その結果、アッセイの操作が簡便化し、具体的な数値による評価がしやすくなった。この方法を用いて、抗線虫活性を有するmorantel tartrateについて阻害率を求め、その値からIC50 0.02 mmol/Lと算出できた。次に、クマリン類化合物には抗線虫活性が...

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Published in日本線虫学会誌 Vol. 51; no. 2; pp. 33 - 36
Main Authors 石坂, 鮎子, 泉, 実, 清田, 洋正, 中村, 健太郎, 中島, 修平
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本線虫学会 20.12.2021
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ISSN0919-6765
1882-3408
DOI10.3725/jjn.51.33

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Summary:マツノザイセンチュウを原因とするマツ材線虫病の防除策として薬剤散布や樹幹注入剤などが用いられているが、環境への影響からより安全な防除対策の確立が求められている。本研究ではまず、これまでの綿球試験法に代わる簡便かつ数値化による評価ができる新規アッセイ法の検討を行った。その方法として、綿球の代わりに輪状濾紙を用いた新規アッセイ法を検討した。その結果、アッセイの操作が簡便化し、具体的な数値による評価がしやすくなった。この方法を用いて、抗線虫活性を有するmorantel tartrateについて阻害率を求め、その値からIC50 0.02 mmol/Lと算出できた。次に、クマリン類化合物には抗線虫活性があるという報告から、4-methylunbelliferone(MU)に着目し、MU及び水溶性の向上を目的にMU配糖体を合成、それらについて抗線虫活性の有無を検討した。光延反応を用いて数種のMU糖を合成、それらを新規アッセイ法で検討した結果、MU及びその配糖体のいずれも抗線虫活性は低かった。
ISSN:0919-6765
1882-3408
DOI:10.3725/jjn.51.33