生体腎移植ドナーにおける腎提供後のフォローアップの重要性

【目的】日本透析医学会の統計調査では慢性維持透析患者107 人(0.043%)が腎移植ドナーとしての腎提供ありと回答した。名古屋大学の生体腎移植ドナーの予後を調査した。【方法】対象は1998年以降に名古屋大学で生体腎移植のため腎提供したドナー167名。内2020~22年に受診した138名の最終診察時のCKD重症度分類を調査した。受診がない29名について背景を調査した。【結果】生体腎移植ドナーのGFR区分はG2:18名(13.0%)、G3a:74名(53.6%)、G3b:44名(31.9%)G4:2名(1.5%)、蛋白尿区分はA1:103名(74.6%)、A2:25名(18.1%)、A3:5名(...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in移植 Vol. 58; no. Supplement; p. s248_3
Main Authors 安田, 宜成, 田中, 章仁, 齋藤, 尚二, 加藤, 規利, 小杉, 智規, 佐野, 優太, 加藤, 真史, 丸山, 彰一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2023
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:【目的】日本透析医学会の統計調査では慢性維持透析患者107 人(0.043%)が腎移植ドナーとしての腎提供ありと回答した。名古屋大学の生体腎移植ドナーの予後を調査した。【方法】対象は1998年以降に名古屋大学で生体腎移植のため腎提供したドナー167名。内2020~22年に受診した138名の最終診察時のCKD重症度分類を調査した。受診がない29名について背景を調査した。【結果】生体腎移植ドナーのGFR区分はG2:18名(13.0%)、G3a:74名(53.6%)、G3b:44名(31.9%)G4:2名(1.5%)、蛋白尿区分はA1:103名(74.6%)、A2:25名(18.1%)、A3:5名(3.6%)、未測定5名(3.6%)であった。G4の1名は73歳男性で腎提供前の2回の実測Ccr平均は126.15mL/分であったが腎提供後に高血圧を合併し、腎提供後15年以上の経過で大動脈瘤手術を受けていた。残る1名は80歳女性で腎提供前の実測GFRは113.9で、腎提供後も10年以上安定していたが、急性腎障害後に腎機能が低下した。A3の4名では、腎提供前の高血圧合併2名、肥満1名だった。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.58.Supplement_s248_3