胸腰椎破裂骨折に対する当科における治療経験 手術療法を中心として

「はじめに」胸腰椎破裂骨折の手術的治療としては前方法, 後方法の二通りのアプローチがあるが, 当科ではキャンバス牽引にて椎体を十分に整復後,後方固定術を行っている. 今回, われわれは当科における胸腰椎破裂骨折に対する後方法の臨床経過ならびにX線学的検討をしたので報告する. 対象および方法 対象は胸腰椎に破裂骨折をきたした患者にキャンバス牽引整復後椎弓根スクリュー固定を施行し1年以上経過した5症例である. 受傷原因は4例が5m以上の高所より転落, 1例が2mの高さよりH鋼が落下し受傷した. 平均年齢は39.8歳(18歳-66歳), 受傷高位はTh12:1例, L1;3例, L5;1例で, 術後...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 4; pp. 735 - 739
Main Authors 木屋, 博昭, 大宮, 博史, 山田, 正寿, 桐谷, 力, 弓削, 孝雄, 西里, 徳重, 藤本, 徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2004
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.53.735

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Summary:「はじめに」胸腰椎破裂骨折の手術的治療としては前方法, 後方法の二通りのアプローチがあるが, 当科ではキャンバス牽引にて椎体を十分に整復後,後方固定術を行っている. 今回, われわれは当科における胸腰椎破裂骨折に対する後方法の臨床経過ならびにX線学的検討をしたので報告する. 対象および方法 対象は胸腰椎に破裂骨折をきたした患者にキャンバス牽引整復後椎弓根スクリュー固定を施行し1年以上経過した5症例である. 受傷原因は4例が5m以上の高所より転落, 1例が2mの高さよりH鋼が落下し受傷した. 平均年齢は39.8歳(18歳-66歳), 受傷高位はTh12:1例, L1;3例, L5;1例で, 術後経過観察期間は平均1年11カ月であった(1年2カ月-3年2カ月). 全例Magerl分類Type Bの後方骨折を伴った症例であり, 性別は全例男性であった. 検討項目は臨床評価として改良Frankel分類6)を用い受傷時と最終調査時にて比較検討し, X線学的評価としては腰椎側面像において損傷上下椎の局所後弯角, 損傷椎間板の椎間板高, 損傷椎体の前方圧縮率, 損傷椎体の後方椎体高比について受傷時, キャンバス牽引後, 術後, 術後一年, 最終調査時と経時的に計測した(図1)4).
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.53.735