当院における肝細胞癌に対する肝移植新基準の妥当性と再発状況の検討
【目的】肝細胞癌にて肝移植を受けた症例での5-5-500基準の妥当性を確認し、再発予測を評価する。【方法】当院で肝移植を受けた肝細胞癌104例の経過を明らかにし、移植後再発に関連する要因につき検討する。【成績】男性79例(76%)で年齢中央値56歳、原疾患はHCV59例(57%)、HBV27例(26%)、アルコール8例(7.7%)、NASH8例(7.7%)、他2例(1.9%)。5年生存79.2%、10年生存73.2%で、死因は肝不全10例、肝癌再発7例(2例は胆肝細胞癌が病理で判明症例)。他臓器癌4例。癌再発は10例に認めるも3例は根治的治療成功。ミラノ基準越えは22例で肝癌再発7例(32%)...
Saved in:
Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s384_1 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2022
The Japan Society for Transplantation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.57.Supplement_s384_1 |
Cover
Summary: | 【目的】肝細胞癌にて肝移植を受けた症例での5-5-500基準の妥当性を確認し、再発予測を評価する。【方法】当院で肝移植を受けた肝細胞癌104例の経過を明らかにし、移植後再発に関連する要因につき検討する。【成績】男性79例(76%)で年齢中央値56歳、原疾患はHCV59例(57%)、HBV27例(26%)、アルコール8例(7.7%)、NASH8例(7.7%)、他2例(1.9%)。5年生存79.2%、10年生存73.2%で、死因は肝不全10例、肝癌再発7例(2例は胆肝細胞癌が病理で判明症例)。他臓器癌4例。癌再発は10例に認めるも3例は根治的治療成功。ミラノ基準越えは22例で肝癌再発7例(32%)、5㎝x5個越えは7例で5-5-500超えは12例、肝癌再発5例(41.6%)で5㎝x5個以内AFP>500ng/mlの症例は全例再発を認めていない。5-5-500越え再発5例中3例は再発後早期死亡したが残る2例は再発に対して根治的治療成功。無再発生存はミラノ基準・5-5-500基準で有意に異なるが(p<0.0001)、腫瘍マーカー90パーセンタイル以上のAFP>500ng/ml、PIVKA-II>590ではAFPは有意差を認めず(p=0.193)、PIVKA-IIは有意差を認めた(p=0.009)。【結論】5-5-500基準は妥当で腫瘍マーカーのみでは再発予測は困難であった。 |
---|---|
ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.57.Supplement_s384_1 |