急性期における外傷性頚髄損傷の麻痺高位変化

本研究の目的は、頚髄損傷者の麻痺高位・上肢筋力を受傷直後から追跡し、受傷後180日にかけての経時的な変化を詳細に把握することである。受傷直後に当センターに入院し、経過観察できた30名の頚髄損傷患者を対象に、入院時・受傷後45日・90日・135日・180日の麻痺高位・ASIA運動スコアから各受傷期間での回復を比較した。対象30名中麻痺高位に回復が見られたのは20名(67%)であり、麻痺高位・ASIA運動スコアは共に受傷後45日以内において、最も回復が見られた。また麻痺高位が骨傷からの予測より高い症例は多くに回復が見られた。今回の結果から、運動機能の回復は受傷早期に特に期待でき、骨傷から予測される...

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Published in九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 Vol. 2002; p. 38
Main Authors 出田, 良輔, 須尭, 敦史, 中村, 濃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州理学療法士・作業療法士合同学会 2003
Joint Congress of Physical Therapist and Occupational Therapist in Kyushu
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ISSN0915-2032
2423-8899
DOI10.11496/kyushuptot.2002.0.38.0

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Summary:本研究の目的は、頚髄損傷者の麻痺高位・上肢筋力を受傷直後から追跡し、受傷後180日にかけての経時的な変化を詳細に把握することである。受傷直後に当センターに入院し、経過観察できた30名の頚髄損傷患者を対象に、入院時・受傷後45日・90日・135日・180日の麻痺高位・ASIA運動スコアから各受傷期間での回復を比較した。対象30名中麻痺高位に回復が見られたのは20名(67%)であり、麻痺高位・ASIA運動スコアは共に受傷後45日以内において、最も回復が見られた。また麻痺高位が骨傷からの予測より高い症例は多くに回復が見られた。今回の結果から、運動機能の回復は受傷早期に特に期待でき、骨傷から予測される麻痺高位と実際の麻痺高位の違いが、回復の一つの指標になることが分かる。我々は受傷直後から麻痺の回復を想定した上でgoal設定を行い、リハビリテーションを進めて行くべきである。
ISSN:0915-2032
2423-8899
DOI:10.11496/kyushuptot.2002.0.38.0