誘導結合高周波アルゴンプラズマ発光分光分析法による高純度酸化イットリウム中の微量不純物希土類元素の定量
誘導結合高周波アルゴンプラズマ(ICP)発光分光分析法による高純度酸化イットリウム中の14種類の微量不純物希土類元素の分析法を検討した.市販品の99.9999%(希土類ベース)の酸化イットリウムを基本物質として用い,これに各種の不純物希土類元素を添加して標準試料系列を調製した. 試料は塩酸に溶解して1%水溶液としてから測定した.酸化イットリウム濃度及び塩酸濃度の増加は全測定元素のスペクトル線強度を減少させるので,分析試料と標準試料の各濃度を等しくして測定することとした. 本法による分析精度は全元素とも変動係数2%以内であり,定量下限はルテチウム,イッテルビウムに対して0.2ppm,ランタン,ユ...
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Published in | 分析化学 Vol. 31; no. 7; pp. 385 - 390 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本分析化学会
1982
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ISSN | 0525-1931 |
DOI | 10.2116/bunsekikagaku.31.7_385 |
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Summary: | 誘導結合高周波アルゴンプラズマ(ICP)発光分光分析法による高純度酸化イットリウム中の14種類の微量不純物希土類元素の分析法を検討した.市販品の99.9999%(希土類ベース)の酸化イットリウムを基本物質として用い,これに各種の不純物希土類元素を添加して標準試料系列を調製した. 試料は塩酸に溶解して1%水溶液としてから測定した.酸化イットリウム濃度及び塩酸濃度の増加は全測定元素のスペクトル線強度を減少させるので,分析試料と標準試料の各濃度を等しくして測定することとした. 本法による分析精度は全元素とも変動係数2%以内であり,定量下限はルテチウム,イッテルビウムに対して0.2ppm,ランタン,ユーロピウム,ジスプロシウム,エルビウムに対して0.5ppm,ホルミウム,ツリウムに対して1ppm,プラセオジム,ネオジム,ガドリニウム,テルビウムに対して2ppm,サマリウム,セリウムに対して3ppmである.なお,市販品の酸化イットリウム{(99.9~99.99)%品}中の不純物希土類元素を本法で分析した結果は,質量分析法で分析した結果と良好な一致を示し,本法により高感度,高精度かつ迅速に高純度酸化イットリウム中の微量不純物希土類元素の定量を行えることが分かった. |
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ISSN: | 0525-1931 |
DOI: | 10.2116/bunsekikagaku.31.7_385 |