腎移植におけるCTLA-4遺伝子多型とde novo DSA産生に関する検討

【背景】腎移植において、de novo DSA産生のリスクを予測することは長期成績の向上のため重要である。Cytotoxic T lymphocyte antigen-4 (CTLA-4)はT細胞応答を抑制するT細胞表面分子として知られており、その一塩基多型は急性拒絶反応と関連することが報告されているが、de novo DSA産生との関連は不明である。【目的】腎移植におけるCTLA-4遺伝子多型とde novo DSA産生との関連を評価する。【方法】2011年4月から2019年3月までに当院で施行した生体腎移植症例のうち、preformed DSA陽性症例を除く88症例を対象に、CTLA-4遺...

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Published in移植 Vol. 57; no. Supplement; p. s322_1
Main Authors 小野, 紘輔, 井手, 健太郎, 田中, 友加, 大平, 真裕, 田原, 裕之, 谷峰, 直樹, 坂井, 寛, 中野, 亮介, 今岡, 祐輝, 井出, 隆太, 築山, 尚史, 望月, 哲矢, 大段, 秀樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2022
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Summary:【背景】腎移植において、de novo DSA産生のリスクを予測することは長期成績の向上のため重要である。Cytotoxic T lymphocyte antigen-4 (CTLA-4)はT細胞応答を抑制するT細胞表面分子として知られており、その一塩基多型は急性拒絶反応と関連することが報告されているが、de novo DSA産生との関連は不明である。【目的】腎移植におけるCTLA-4遺伝子多型とde novo DSA産生との関連を評価する。【方法】2011年4月から2019年3月までに当院で施行した生体腎移植症例のうち、preformed DSA陽性症例を除く88症例を対象に、CTLA-4遺伝子多型(rs231775, rs3087243, rs5742909)とde novo DSA産生との関連を評価した。【結果】10例(11.3%)でde novo DSA産生を認めた。rs231775のGG genotype および rs3087243のGG genotypeはde novo DSA陽性率が高い傾向にあった。さらにrs231775、rs3087243がともにGG genotypeの症例は、それ以外の症例と比べて有意にde novo DSA陽性率が高値であった(22.3% vs 7.0%,p=0.04)。【結論】CTLA-4遺伝子多型は腎移植後のde novo DSA産生と関連していた。より汎用性のある予測因子となりうるかさらなる検討が必要である。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.57.Supplement_s322_1