カルシウム高含有および低含有ベトナム炭から得られた灰分の比較

Quang Ninh(QN)州の無煙炭,Thai Nguyen(TN)州のれき青炭,およびLang Son(LS)州の褐炭として,ベトナムの三つの石炭の灰分の熱的挙動をXRD,TG-DTA,およびTEM測定を用いて調査した。QNおよびLS炭は,非常に高いSiO2およびAl2O3含有量と,低いCaO含有量である。TN炭は,CaO含有量が高く,SiO2およびAl2O3含有量が低い。QN,TN,およびLS炭の重量損失は,大気雰囲気下の1200 ℃でそれぞれ91,84,77 %であった。SiO2およびAl2O3に富むQNおよびLS原炭中のカオリナイトは,空気雰囲気下での熱処理後,イライトを介してムライ...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 66; no. 3; pp. 81 - 87
Main Authors 野村, 正勝, 加藤, 昌宏, 土森, 優, 橋本, 忠範, 石原, 篤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 石油学会 01.05.2023
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ISSN1346-8804
1349-273X
DOI10.1627/jpi.66.81

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Summary:Quang Ninh(QN)州の無煙炭,Thai Nguyen(TN)州のれき青炭,およびLang Son(LS)州の褐炭として,ベトナムの三つの石炭の灰分の熱的挙動をXRD,TG-DTA,およびTEM測定を用いて調査した。QNおよびLS炭は,非常に高いSiO2およびAl2O3含有量と,低いCaO含有量である。TN炭は,CaO含有量が高く,SiO2およびAl2O3含有量が低い。QN,TN,およびLS炭の重量損失は,大気雰囲気下の1200 ℃でそれぞれ91,84,77 %であった。SiO2およびAl2O3に富むQNおよびLS原炭中のカオリナイトは,空気雰囲気下での熱処理後,イライトを介してムライトに変換された。クォーツはすべてのQNおよびLS炭で見い出された。CaOに富むTN炭中のカルサイトは,空気雰囲気下での熱処理後にアンハイドライトとライムに変化した。TNおよびLS原炭中のパイライトは,熱処理後に酸化されてヘマタイトになった。XRDおよびTEMの結果に基づき,QNおよびLS炭に見られる針状結晶はイライトであるが,TNの結晶はカルサイトである可能性がある。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.66.81