インドフェノール青吸光光度法によるアンモニア測定における脂肪族アミンの妨害とこれを利用した脂肪族アミン定量の可能性

アンモニア態窒素濃度の測定法であるインドフェノール青吸光光度法について, 公定法や協会法には脂肪族アミンの妨害について記述がない。しかし, 同法にて脂肪族アミンの発色を確認したことから, 脂肪族アミンの呈色およびその機構について検討した。衛生試験法・注解の手順により, 脂肪族第一級アミンが呈色すること, ニトロプルシッドナトリウムの利用が脂肪族アミンの発色につながることを確認した。メチルアミンとエチルアミンの呈色において, それぞれホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの生成が確認でき, 呈色機構の1つとしてアミンがイミンあるいはイミニウムイオンを経由し, アルデヒドとアンモニアを生成する反応が想...

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Published in水環境学会誌 Vol. 46; no. 1; pp. 1 - 9
Main Author 赤尾, 聡史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本水環境学会 2023
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Summary:アンモニア態窒素濃度の測定法であるインドフェノール青吸光光度法について, 公定法や協会法には脂肪族アミンの妨害について記述がない。しかし, 同法にて脂肪族アミンの発色を確認したことから, 脂肪族アミンの呈色およびその機構について検討した。衛生試験法・注解の手順により, 脂肪族第一級アミンが呈色すること, ニトロプルシッドナトリウムの利用が脂肪族アミンの発色につながることを確認した。メチルアミンとエチルアミンの呈色において, それぞれホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの生成が確認でき, 呈色機構の1つとしてアミンがイミンあるいはイミニウムイオンを経由し, アルデヒドとアンモニアを生成する反応が想定された。脂肪族第一級アミンやキトサンの呈色について, 線形に近い濃度-吸光度の関係を見出した。ニトロプルシッドナトリウムを用いるインドフェノール青吸光光度法が脂肪族第一級アミンの定量法に成り得る可能性を指摘した。
ISSN:0916-8958
1881-3690
DOI:10.2965/jswe.46.1