ブタ心停止ドナー肝に対するECMOの利用と機械灌流保存
【背景】心停止ドナーは臓器提供者不足を解決する1つの方法である。我々は心停止したブタに体外式膜型人工肺(VA-ECMO)を装着後,摘出してさらに4時間の単純冷却保存,または機械灌流保存を施行したので報告する。【対象と方法】20kgの雑種ブタを用いた。全身麻酔下に動脈および中心静脈ラインを確保したのち,開腹して大動脈と下大静脈にそれぞれ14Frのカテーテルを挿入した。KCLで心停止させた45分後に,22℃の送血温でECMO(HCS-CFP;泉工医科工業社)を1時間装着した。自己血を200mL輸血,脱血は200mmHg,1000-1200mL/minを目標とした。静脈血の酸素飽和度を確認しながら酸...
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Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s359_2 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2022
The Japan Society for Transplantation |
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ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.57.Supplement_s359_2 |
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Summary: | 【背景】心停止ドナーは臓器提供者不足を解決する1つの方法である。我々は心停止したブタに体外式膜型人工肺(VA-ECMO)を装着後,摘出してさらに4時間の単純冷却保存,または機械灌流保存を施行したので報告する。【対象と方法】20kgの雑種ブタを用いた。全身麻酔下に動脈および中心静脈ラインを確保したのち,開腹して大動脈と下大静脈にそれぞれ14Frのカテーテルを挿入した。KCLで心停止させた45分後に,22℃の送血温でECMO(HCS-CFP;泉工医科工業社)を1時間装着した。自己血を200mL輸血,脱血は200mmHg,1000-1200mL/minを目標とした。静脈血の酸素飽和度を確認しながら酸素化をコントロールした。その後単純冷却保存(CS)(N=4),低温機械灌流保存(HMP)(N=5)を4時間施行,それぞれドナー血を希釈してisolated liver reperfusion systemによる2時間の再灌流を行い,評価した。【結果】再灌流後のHMP群のAST,ALT,LDHはそれぞれ394.8,14.6,775.0 (IU/L)で,CS群の819.0,32.5,1799.0 (IU/L)よりも低値を示した。【結論】心停止後のECMOと機械灌流保存の組み合わせは有効である可能性が示唆された。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.57.Supplement_s359_2 |