当院通院中腎移植者のCOVID-19感染症52例の経験

板橋中央総合病院に通院中の腎移植者750例中52例(6.9%)がCOVID-19感染症となった。第5波までが17例、オミクロン株を主とする第6波は35例であった。都の基準の重症は52例中6例(11.5%)、死亡は52例中3例(5.8%)であった。死亡は第5波まで1例、第6波2例。死亡の3例はいずれも70歳代であった。第6波に限ると、重症3例、中等症6例、軽症26例で、中等症ではレムデシビルやソトロビマブが使用された。軽症では、9例にモルヌピラビルが投与されたが、14例は安静のみで軽快している。COVID-19感染者は当院以外の施設で治療にあたる場合は、担当の医師と連携して治療を行なっている。免...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s263_3
Main Authors 小山, 一郎, 春口, 和樹, 近藤, 晃, 川瀬, 友則, 蜂須賀, 健, 三宮, 彰仁, 中島, 一朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2022
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.57.Supplement_s263_3

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Summary:板橋中央総合病院に通院中の腎移植者750例中52例(6.9%)がCOVID-19感染症となった。第5波までが17例、オミクロン株を主とする第6波は35例であった。都の基準の重症は52例中6例(11.5%)、死亡は52例中3例(5.8%)であった。死亡は第5波まで1例、第6波2例。死亡の3例はいずれも70歳代であった。第6波に限ると、重症3例、中等症6例、軽症26例で、中等症ではレムデシビルやソトロビマブが使用された。軽症では、9例にモルヌピラビルが投与されたが、14例は安静のみで軽快している。COVID-19感染者は当院以外の施設で治療にあたる場合は、担当の医師と連携して治療を行なっている。免疫抑制剤の調整は、日本移植学会の基本指針に基づき行なっており、治療は日本感染症学会の指針や、日本医学会連合COVID-19 expert opinionなどに基づいて行なっている。ワクチン接種が進み、軽症例や安静のみで軽快する症例が増えているものの、感染の動向には注意していく必要がある。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.57.Supplement_s263_3