脳死・心停止下臓器提供時の特定移植検査センターの現状

日本における脳死・心停止下臓器提供に関する組織適合性検査(HLAタイピング, クロスマッチ, 感染症等)は, (公)日本臓器移植ネットワークとの契約に基づき登録されている全国で14施設の特定移植検査センターが担当する. これ以外に新規登録検査, 待機患者の血清管理を担当する検査センターとして約30施設が登録されている. コロナ禍の影響で一時減少していたドナー提供数も急増している中, ここ数年で検査センターを取り巻く環境は大きく変わった. 以前は全国を7ブロックに分割してブロック内の検査施設がドナー検査を基本対応していたが, 特定移植センターの辞退, 人員不足, 働き方改革の影響等で検査対応が困...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 58; no. Supplement; p. s216_2
Main Author 橋口, 裕樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2023
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.58.Supplement_s216_2

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Summary:日本における脳死・心停止下臓器提供に関する組織適合性検査(HLAタイピング, クロスマッチ, 感染症等)は, (公)日本臓器移植ネットワークとの契約に基づき登録されている全国で14施設の特定移植検査センターが担当する. これ以外に新規登録検査, 待機患者の血清管理を担当する検査センターとして約30施設が登録されている. コロナ禍の影響で一時減少していたドナー提供数も急増している中, ここ数年で検査センターを取り巻く環境は大きく変わった. 以前は全国を7ブロックに分割してブロック内の検査施設がドナー検査を基本対応していたが, 特定移植センターの辞退, 人員不足, 働き方改革の影響等で検査対応が困難となりブロックを超えて広域エリアで対応している. 実際には主要な3~4施設で全国の7割近くの検査に対応しており, これらの施設も2~3名が兼務で担当し, 決して人員が潤沢ではない. ネットワークとしても広域エリアでの検査対応, 検査分散化等を行なっているが根本的な解決には至っていない. 今後の移植検査の継続を考えるならば, 検査センターのあり方も含め抜本的に見直す時期であると考える.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.58.Supplement_s216_2