抗癌剤療法に関する研究 多剤交互作用の培養KB細胞に及ぼす影響

前報16)ではNitrogen mustard N-oxide, Cyclophosphamide(以下「E」と略す), Mitomycin C(以下「M」と略す), Chromomycin A3(以下「TM」と略す)のいずれか1剤と培養KB細胞に1~3時間ずつ1日1回連日作用させる実験でその抑制効果について観察報告した. その実験成績では, 1剤3時間1回作用させただけでもM, TMではかなり細胞への障害作用が認められた. 一方, 木村14)ら, 太田ら15)によれば動物実験的に抗癌剤多剤併用で相当良好な治療結果がえられ, また, これを臨床的に応用してもかなり有効であつたと思われる症例を報...

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Published in医療 Vol. 24; no. 4; pp. 281 - 290
Main Authors 勝田, 京一, 久恒, 一雄, 梶山, 稔, 宮原, 弘次, 渥美, 剛重, 銅城, 将紘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 01.04.1970
医療同好会
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Summary:前報16)ではNitrogen mustard N-oxide, Cyclophosphamide(以下「E」と略す), Mitomycin C(以下「M」と略す), Chromomycin A3(以下「TM」と略す)のいずれか1剤と培養KB細胞に1~3時間ずつ1日1回連日作用させる実験でその抑制効果について観察報告した. その実験成績では, 1剤3時間1回作用させただけでもM, TMではかなり細胞への障害作用が認められた. 一方, 木村14)ら, 太田ら15)によれば動物実験的に抗癌剤多剤併用で相当良好な治療結果がえられ, また, これを臨床的に応用してもかなり有効であつたと思われる症例を報告している. われわれは実験材料の項でのべる4剤を培養KB細胞へ作用させた場合, 細胞への影響について観察した成績を報告し, 今後の癌化学療法の参考に資したい.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.24.281