頭頸部癌の高精度放射線治療 頭頸部癌の高精度放射線治療

「はじめに」急速な人口の高齢化もあり, 手術困難な症例に対する根治療法としての放射線治療の役割はますます高まっている. 特に頭頸部癌では形態や機能の温存の観点から放射線治療の役割は大きく, 古くから根治療法の1つとして用いられてきた. しかし, 従来の放射線治療は, 機能温存・QOL維持という点では十分でなかった面も多い. 進行頭頸部癌は化学療法併用が標準的に行われるが, 腫瘍制御の点でメリットはあるものの, 急性期毒性の増強は避けられず, 一部では重篤な晩期毒性の発症もある. また, 放射線抵抗性を示す腫瘍に対する治療効果の面での限界もある. これら諸問題への対応のため, 強度変調放射線治療...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 122; no. 9; pp. 1262 - 1264
Main Author 塩山, 善之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.09.2019
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.122.1262

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Summary:「はじめに」急速な人口の高齢化もあり, 手術困難な症例に対する根治療法としての放射線治療の役割はますます高まっている. 特に頭頸部癌では形態や機能の温存の観点から放射線治療の役割は大きく, 古くから根治療法の1つとして用いられてきた. しかし, 従来の放射線治療は, 機能温存・QOL維持という点では十分でなかった面も多い. 進行頭頸部癌は化学療法併用が標準的に行われるが, 腫瘍制御の点でメリットはあるものの, 急性期毒性の増強は避けられず, 一部では重篤な晩期毒性の発症もある. また, 放射線抵抗性を示す腫瘍に対する治療効果の面での限界もある. これら諸問題への対応のため, 強度変調放射線治療(IMRT: Intensity-modulated radiation therapy)や粒子線治療(Charged particle therapy)に代表される新規治療技術や画像誘導照射法(IGRT: Image-guided radiation therapy)等の周辺技術が開発されてきた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.122.1262