日本における腎移植後の妊娠出産の現状
【はじめに】透析患者に比べ腎移植患者の正出産率は10倍高い。腎移植の38%は女性であり、妊娠可能な年齢の腎不全患者にとっては子供を産みたいという思いかから腎移植を選択する患者も少なくない。しかし、腎移植後、腎臓病保存期の腎機能を保っていても、腎移植患者の妊娠出産はリスクがないわけではない。そこで我が国における腎移植後の妊娠出産の現状をJARTREWのデータから調査したので報告する。【対象】1990-2021年までのJARTREAの入力データから抽出できた妊娠可能年齢(<50歳)7600症例のうち非妊娠症例6908症例、妊娠群557症例、そのうち出産まで至っているものが453症例、移植前に妊娠し...
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Published in | 移植 Vol. 58; no. Supplement; p. s244_3 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2023
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Summary: | 【はじめに】透析患者に比べ腎移植患者の正出産率は10倍高い。腎移植の38%は女性であり、妊娠可能な年齢の腎不全患者にとっては子供を産みたいという思いかから腎移植を選択する患者も少なくない。しかし、腎移植後、腎臓病保存期の腎機能を保っていても、腎移植患者の妊娠出産はリスクがないわけではない。そこで我が国における腎移植後の妊娠出産の現状をJARTREWのデータから調査したので報告する。【対象】1990-2021年までのJARTREAの入力データから抽出できた妊娠可能年齢(<50歳)7600症例のうち非妊娠症例6908症例、妊娠群557症例、そのうち出産まで至っているものが453症例、移植前に妊娠した137症例であった。【結果】1)生体腎移植は年々増加傾向にあり、女性の腎移植患者も増加傾向であったが、妊娠可能年齢(<49歳)の割合は減少傾向で28%以下である2)妊娠可能年齢の腎移植の予後は良好である。(5年生存率98%,10年生存率96-97%, 5年生着率94-95%,10年生着率87-88%)3)妊娠のみの症例の方が、妊娠、出産した症例より生着率が不良であった。4)妊娠出産後のグラフトロスのリスク因子は、妊娠時のCr>1.5、出産1年後Cr>1.5 妊娠時の蛋白尿であった。5)妊娠前、出産後の高血圧では移植腎の予後に有意差はなかった。【結語】腎移植をすることで出産面でもQOLの高い予後が得られた。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.58.Supplement_s244_3 |