永遠のテーマ!働き方改革~心臓移植レシピエント移植コーディネーターの立場から

レシピエント移植コーディネーター(RTC)の業務は大きく分けて週間業務と緊急対応のドナー情報がある。ドナー情報時は、週間業務に加えドナー情報対応の調整が必要となる。今回当院の現状から心臓RTCの働き方の課題を検討する。1.週間業務における課題:当院のRTCは3名(専従)である。2016年遅出勤務を導入により時間外勤務の削減が得られ、2018年にチームナーシング(成人・小児・外来)導入により看護の質の確保に繋がった。一方で待機患者数の増加、待機期間の長期化に伴い、チーム内での共有・検討が必要な身体的社会的問題を有する事例の増加し、時間外勤務の一因となっている。2.ドナー情報対応における課題:20...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s150_2
Main Authors 有薗, 礼佳, 永井, 孝明, 塚本, 泰正, 堀, 由美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2022
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.57.Supplement_s150_2

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Summary:レシピエント移植コーディネーター(RTC)の業務は大きく分けて週間業務と緊急対応のドナー情報がある。ドナー情報時は、週間業務に加えドナー情報対応の調整が必要となる。今回当院の現状から心臓RTCの働き方の課題を検討する。1.週間業務における課題:当院のRTCは3名(専従)である。2016年遅出勤務を導入により時間外勤務の削減が得られ、2018年にチームナーシング(成人・小児・外来)導入により看護の質の確保に繋がった。一方で待機患者数の増加、待機期間の長期化に伴い、チーム内での共有・検討が必要な身体的社会的問題を有する事例の増加し、時間外勤務の一因となっている。2.ドナー情報対応における課題:2019年1月~2022年5月のドナー情報は105件(移植41件)であった。移植に至らなかった64件の内訳は、上位受諾、体格差、年齢、心機能であった。ダイレクトクロスマッチ再検査を要する上位受諾者のバックアップ候補(入院、検査、I.C、摘出チーム派遣準備等調整を要する)9件、心機能による辞退事例5件(平均EF40.4±6.5%、心臓原疾患:重症不整脈、心筋梗塞等)あった。いずれも調整業務を要したがバックアップは上位受諾、辞退例はあっせん中止となった。今後臓器提供増加を見据えた働き方改革を遂行する上でバックアップレシピエント候補選定の体制整備や低心機能ドナーのあっせん方法検討等が必要と考える。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.57.Supplement_s150_2