腎移植外来診察における受診間隔に影響する身体的状況についての調査

腎移植後患者の外来受診頻度について明確な基準がなく、施設により様々である。本院では移植後1年以内はおよそ1か月に1回程度、1年を過ぎる維持期の受診間隔は様々であり、最長で3ヵ月に1回の外来受診間隔となっている。2020年4月からのCOVID-19パンデミックにより、腎移植外来では免疫抑制療法を行っているため、外来での密の回避は厳格に実施する必要があると考えた。感染予防の観点から維持期の腎移植レシピエントの外来受診間隔を医師の判断のもと十分な説明の上、可能な限り3ヵ月に1回の受診間隔へと変更した。しかしながら受診間隔を3ヵ月に1回に変更した場合、問題が生じるレシピエントが存在した。今回、受診間隔...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s231_1
Main Authors 前田, 景子, 佐々木, 由美子, 内田, 潤次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2022
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.57.Supplement_s231_1

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Summary:腎移植後患者の外来受診頻度について明確な基準がなく、施設により様々である。本院では移植後1年以内はおよそ1か月に1回程度、1年を過ぎる維持期の受診間隔は様々であり、最長で3ヵ月に1回の外来受診間隔となっている。2020年4月からのCOVID-19パンデミックにより、腎移植外来では免疫抑制療法を行っているため、外来での密の回避は厳格に実施する必要があると考えた。感染予防の観点から維持期の腎移植レシピエントの外来受診間隔を医師の判断のもと十分な説明の上、可能な限り3ヵ月に1回の受診間隔へと変更した。しかしながら受診間隔を3ヵ月に1回に変更した場合、問題が生じるレシピエントが存在した。今回、受診間隔が3ヵ月に1回で可能なレシピエントの身体的状況について調査した。 対象は、移植後1年以内のレシピエントを除く腎移植外来通院レシピエント。2020年4月~2021年3月までの1年間で、3カ月に1回の受診間隔を導入した患者のうち、1年後も外来受診間隔が3ヵ月に1回を継続できた群と、継続できなかった群とに分けた。 2群間で研究開始時の年齢、性別、移植後期間、併存疾患の有無、腎機能、貧血の有無、免疫抑制療法の種類、服薬薬剤数などについて検討した。 受診間隔が3ヵ月に1回で継続できた群の身体的状況を調査することで、医療者間での共通の支援目標を明確化にし、新たな看護支援体制の構築へとつながると考える。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.57.Supplement_s231_1