東北大学における組織移植推進体制の構築

東北大学病院は、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸、角膜の全ての臓器移植が実施できる全国でも数少ない施設である。また今年度からは保険診療での膵島移植も可能となった。このように多くの移植医療を円滑に推進するには、院内の様々な部門の協力が不可欠であり、これまで臓器移植に関してはその横断的連携の役割を臓器移植医療部が一手に担ってきた。組織移植となる膵島移植においても、院内の連携構築やレシピエント対応において、引き続き臓器移植医療部の協力は必要不可欠である。しかし組織移植においては、臓器移植と異なりドナーコーディネートも各施設に委ねられており、特に膵島移植の保険収載においては日本組織移植学会の認定組織バ...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s307_1
Main Authors 後藤, 昌史, 沖田, ひとみ, 岡田, 克典, 伊藤, 貴子, 今井, 啓道, 佐藤, 則子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2022
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.57.Supplement_s307_1

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Summary:東北大学病院は、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸、角膜の全ての臓器移植が実施できる全国でも数少ない施設である。また今年度からは保険診療での膵島移植も可能となった。このように多くの移植医療を円滑に推進するには、院内の様々な部門の協力が不可欠であり、これまで臓器移植に関してはその横断的連携の役割を臓器移植医療部が一手に担ってきた。組織移植となる膵島移植においても、院内の連携構築やレシピエント対応において、引き続き臓器移植医療部の協力は必要不可欠である。しかし組織移植においては、臓器移植と異なりドナーコーディネートも各施設に委ねられており、特に膵島移植の保険収載においては日本組織移植学会の認定組織バンク取得が必須条件となったため、それらを担う新たな組織体制の構築が必要となった。 2022年4月に新設された東北大学病院移植再生医療センターは、移植医療と再生医療の有機的な融合を目指した組織である。センターの中核業務は、細胞移植及び再生医療に関する臨床・研究面の支援、CPCの維持管理、組織バンクの運営であり、組織バンクとしては医療目的(膵島、心臓弁・血管等)と研究目的(脂肪由来間葉系幹細胞やMuse細胞の供給)の2つの異なる用途のバンクを設立することとした。本発表では、本学における新たな組織移植推進体制について、特に組織バンクの位置付けに重点を置いて報告する。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.57.Supplement_s307_1