臓器提供施設連携体制構築事業の継続効果

背景)当院では、2019年度から日本臓器移植ネットワークが主催する臓器提供施設連携体制構築事業に参画している。2019年、2020年は4施設、2021年は6施設、今年度は5施設と連携し継続申請中である。目的・方法)拠点施設(当院)、連携施設において、患者・家族の崇高な意思を叶える体制作りを目標に、講演会、セミナー、シミュレーションなどを企画開催し、知識の習得や情報の共有を行っている。本事業の取り組みについて紹介する。結果・考察)事業開始2年目には当院2例、連携施設1例の脳死下臓器提供があり、3年目には当院1例、連携施設4例の脳死下臓器提供があった。2年目からはCOVID-19感染拡大のため、本...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s301_1
Main Authors 吉川, 充史, 剣持, 敬, 明石, 優美, 加藤, 櫻子, 纐纈, 一枝, 宮島, 由佳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2022
The Japan Society for Transplantation
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Summary:背景)当院では、2019年度から日本臓器移植ネットワークが主催する臓器提供施設連携体制構築事業に参画している。2019年、2020年は4施設、2021年は6施設、今年度は5施設と連携し継続申請中である。目的・方法)拠点施設(当院)、連携施設において、患者・家族の崇高な意思を叶える体制作りを目標に、講演会、セミナー、シミュレーションなどを企画開催し、知識の習得や情報の共有を行っている。本事業の取り組みについて紹介する。結果・考察)事業開始2年目には当院2例、連携施設1例の脳死下臓器提供があり、3年目には当院1例、連携施設4例の脳死下臓器提供があった。2年目からはCOVID-19感染拡大のため、本事業ではWEBを使用して、講演会、セミナーなどを継続し、参加施設のモチベーションの維持ができた。事業を継続することにより、地域の臓器提供体制の輪を広げることが可能で、連携施設全体の臓器提供に対する意識向上につながり、その結果、臓器提供数の増加につながった。まとめ)経験のある臓器提供施設が経験の少ない施設の院内コーディネーターをはじめ関係医療者を継続的に支援していくことにより、地域の臓器提供体制基盤を強化し、地域での臓器提供数の増加に効果的であった。本事業は1年単位の事業であるが、継続することで3年目には愛知県内で連携した5施設から初の脳死下臓器提供があり、臓器提供数増加に効果を上げた。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.57.Supplement_s301_1