高齢腎移植患者におけるフレイル・サルコペニアの死亡予測因子としての臨床的有用性の検討
【目的】腎移植患者の高齢化が進み,フレイルやサルコペニアといった老年症候群への対策が喫緊の課題である.本研究の目的は,高齢腎移植患者における死亡の予測について基本チェックリスト(KCL)および改訂版J-CHS基準(J-CHS)によるフレイルとAWGS2019によるサルコペニアの臨床的有用性の検討である.【方法】2017年8月-2019年1月の間にサルコペニアの評価を行った60歳以上の高齢腎移植患者を対象とし,コホート研究を行った.Kaplan-Meier法および Log-rank検定を用いフレイル群と非フレイル群,サルコペニア群と非サルコペニア群の生存率の比較を行い,Cox比例ハザードモデルを...
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Published in | 移植 Vol. 58; no. Supplement; p. s308_2 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2023
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Summary: | 【目的】腎移植患者の高齢化が進み,フレイルやサルコペニアといった老年症候群への対策が喫緊の課題である.本研究の目的は,高齢腎移植患者における死亡の予測について基本チェックリスト(KCL)および改訂版J-CHS基準(J-CHS)によるフレイルとAWGS2019によるサルコペニアの臨床的有用性の検討である.【方法】2017年8月-2019年1月の間にサルコペニアの評価を行った60歳以上の高齢腎移植患者を対象とし,コホート研究を行った.Kaplan-Meier法および Log-rank検定を用いフレイル群と非フレイル群,サルコペニア群と非サルコペニア群の生存率の比較を行い,Cox比例ハザードモデルを用いてフレイル・サルコペニアと死亡との関連を解析した.【結果】高齢腎移植患者100名(年齢67歳,移植後期間95ヶ月)のうちJ-CHS・KCLによるフレイルとAWGS2019によるサルコペニアの有病率はそれぞれ15%,19%,16%であった.Kaplan-Meier法で推定した生存率は,J-CHSによるフレイル(p=0.072),AWGS2019によるサルコペニア(p=0.96)では2群間に有意差を認めなかったが,KCLによるフレイルでは有意差を認めた(p=0.012).KCLによるフレイルは死亡と関連(年齢調整ハザード比aHR 2. 79 95%CI[1.22-7.88])していたが,J-CHSによるフレイル(2.48 [0.89-6.88])とAWGS2019によるサルコペニア(1.06 [0.31-3.65])は死亡と関連していなかった.【結論】高齢腎移植患者においてKCLによるフレイルは死亡の予測因子であった. |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.58.Supplement_s308_2 |