ECMOによる温阻血障害回復臓器のICGを用いた臓器機械灌流による移植前評価

【緒言】心停止後に提供される臓器の移植適用に向けた様々な取り組みのなかで,欧州を中心にECMOを用いて体内で局所的に酸素化灌流することで臓器機能を回復し移植につなげるための体内局所灌流への期待がある.しかしながら,回復が期待される臓器においてもその臓器機能の評価は経験に頼らざるを得ない現状がある.そこで,移植前の機械灌流を積極的に用いることで臓器機能を評価し,さらなる機能回復を可能とする技術が求められている.本報告では,ECMOによる体内灌流を行ったブタ肝臓に関して摘出後に機械灌流をおこない移植前の臓器機能評価に関して報告する.【方法】 20kgのブタを用い,心停止後45分間を経た後に,室温に...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s360_1
Main Authors 寺口, 博也, 岡澤, 友雅, 暮地本, 宙己, 李, 小康, 岩田, 浩義, 中條, 哲也, 金子, 太樹, Khatijah, Mohd Zin Nur, 大原, みずほ, 石井, 大介, 大橋, 牧人, 小原, 弘道, 松野, 直徒
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2022
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.57.Supplement_s360_1

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Summary:【緒言】心停止後に提供される臓器の移植適用に向けた様々な取り組みのなかで,欧州を中心にECMOを用いて体内で局所的に酸素化灌流することで臓器機能を回復し移植につなげるための体内局所灌流への期待がある.しかしながら,回復が期待される臓器においてもその臓器機能の評価は経験に頼らざるを得ない現状がある.そこで,移植前の機械灌流を積極的に用いることで臓器機能を評価し,さらなる機能回復を可能とする技術が求められている.本報告では,ECMOによる体内灌流を行ったブタ肝臓に関して摘出後に機械灌流をおこない移植前の臓器機能評価に関して報告する.【方法】 20kgのブタを用い,心停止後45分間を経た後に,室温に管理したECMOにより自己血を用いた体内局所灌流を行った.臓器摘出後,酸素化機械灌流をおこなうことで,臓器機能を維持し,ICGを用いることで移植前評価をおこなった.機械灌流後の臓器は自己血液を用いた体温条件での機械灌流により臓器機能を評価した.【結果】ここでは1例としてECMOの適用によって臓器機能が改善された,また保存中に機械灌流を行うことで臓器機能を保存できるばかりでなく,移植前評価が可能であった.【結語】ECMOによる温阻血障害回復臓器のICGを用いた臓器機械灌流による移植前評価の可能性を示した.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.57.Supplement_s360_1