腎移植後三次性副甲状腺機能亢進症の治療方向性について

長期透析患者に合併する2次性副甲状腺機能亢進症が腎移植後も改善しない場合、腎移植後3次性副甲状腺機能亢進症(THPT)と定義され、薬物療法または手術療法(PTX)を要する。我々の施設では腎移植後高Ca血症の改善を見ない症例に、薬物療法(シナカルセット)を投与し、術後1年を目途にPTXを実施してきたが、保険適応上の問題がある。腎移植前にPTXを実施した症例もあるが、腎移植の実施が先送りとなることが問題である。当院は以前、泌尿器科がPTXを実施してが、近年は乳腺・内分泌外科が鏡視下副甲状腺摘除術に取り組んでおり手術を依頼するようになった。まだ症例数は少ないものの、侵襲が少なく、また整容性が優れてい...

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Published in移植 Vol. 57; no. Supplement; p. s377_1
Main Authors 山田, 保俊, 見附, 明彦, 井上, 歩, 坂口, 大, 鑪野, 秀一, 榎田, 英樹, 南, 真人, 中条, 哲浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2022
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Summary:長期透析患者に合併する2次性副甲状腺機能亢進症が腎移植後も改善しない場合、腎移植後3次性副甲状腺機能亢進症(THPT)と定義され、薬物療法または手術療法(PTX)を要する。我々の施設では腎移植後高Ca血症の改善を見ない症例に、薬物療法(シナカルセット)を投与し、術後1年を目途にPTXを実施してきたが、保険適応上の問題がある。腎移植前にPTXを実施した症例もあるが、腎移植の実施が先送りとなることが問題である。当院は以前、泌尿器科がPTXを実施してが、近年は乳腺・内分泌外科が鏡視下副甲状腺摘除術に取り組んでおり手術を依頼するようになった。まだ症例数は少ないものの、侵襲が少なく、また整容性が優れている。一方で鏡視下手術の短所として4腺摘出が困難な症例が挙げられるが、このような短所も踏まえたうえで、標準術式となりうるこの術式ならびに今後の治療方向性について考察する。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.57.Supplement_s377_1