耳性脳膿瘍の1例

真珠腫性中耳炎より側頭葉膿瘍を合併し, 保存的治療を行つて膿瘍の鎮静化をはかり, その後中耳根治術を施行し, 治癒せしめた1症例を報告した. 脳膿瘍の診断, 治療方針の決定および経過観察にCT検査が非常に有用であつた. 最近はCTの出現, 普及により脳膿瘍の詳細な経過観察が可能となり, また種々の抗生物質や抗菌剤が使用されるようになり, 保存的治療の有用性が増してきている. 耳性脳膿瘍の治療は, 頭蓋内病変の病態により異なり, また脳外科医との協力が重要であると考えた....

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 36; no. 5Supplement5; pp. 969 - 973
Main Authors 和田, 繁, 前山, 忠嗣, 進, 武幹, 古賀, 壽男, 田淵, 和雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 1990
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Summary:真珠腫性中耳炎より側頭葉膿瘍を合併し, 保存的治療を行つて膿瘍の鎮静化をはかり, その後中耳根治術を施行し, 治癒せしめた1症例を報告した. 脳膿瘍の診断, 治療方針の決定および経過観察にCT検査が非常に有用であつた. 最近はCTの出現, 普及により脳膿瘍の詳細な経過観察が可能となり, また種々の抗生物質や抗菌剤が使用されるようになり, 保存的治療の有用性が増してきている. 耳性脳膿瘍の治療は, 頭蓋内病変の病態により異なり, また脳外科医との協力が重要であると考えた.
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.36.5Supplement5_969