ヌーナン症候群患者に施行した献腎移植
緒言ヌーナン 症候群は低身長、思春期遅発、心奇形、特徴的外表奇形(眼間乖離、翼状頚、外反肘など)により特徴づけられる先天奇形症候群である。知能低下、難聴、男児外性器形成障害もしばしば認められ、白血病や固形腫瘍を合併することがある。発症頻度は出生1000-2500人に1人とされている。本疾患への腎移植報告例は不幸な転帰をたどった4歳男児の1例報告しかない。今回、ヌーナン症候群の患者に対し献腎移植を行った症例を経験したので報告する。 症例31歳男性。幼少時に特異的顔貌、低身長、停留精巣を認めヌーナンヌーナン症候群の診断となった。17歳時に巣状糸球体硬化症を発症し、血液透析導入された。2020年、献...
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Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 55; no. Supplement; p. 365_1 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2020
The Japan Society for Transplantation |
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ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.55.Supplement_365_1 |
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Summary: | 緒言ヌーナン 症候群は低身長、思春期遅発、心奇形、特徴的外表奇形(眼間乖離、翼状頚、外反肘など)により特徴づけられる先天奇形症候群である。知能低下、難聴、男児外性器形成障害もしばしば認められ、白血病や固形腫瘍を合併することがある。発症頻度は出生1000-2500人に1人とされている。本疾患への腎移植報告例は不幸な転帰をたどった4歳男児の1例報告しかない。今回、ヌーナン症候群の患者に対し献腎移植を行った症例を経験したので報告する。 症例31歳男性。幼少時に特異的顔貌、低身長、停留精巣を認めヌーナンヌーナン症候群の診断となった。17歳時に巣状糸球体硬化症を発症し、血液透析導入された。2020年、献腎移植第一候補となり献腎移植した。経過免疫抑制剤はFK506+MMF+Basiliximab+PSLを使用した。術翌日は尿量が少なく、K: 6.4に上昇したため血液透析1度施行したが、その後は採血値、尿量も安定した。クレアチニン値も1.3前後で安定し、術後19日目に退院した。 考察ヌーナン症候群は悪性腫瘍発生のリスクがあるため、術後は免疫抑制剤の厳密なコントロールが必要である。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.55.Supplement_365_1 |