CMV Donor+/ Recipient-症例においてエベロリムスが与える影響

【背景】免疫抑制導入期からのEVR投与がCMV感染を減少させる報告がありハイリスク症例である当科のCMV D+/R-症例を検証した。【対象と方法】2006-2019迄の腎移植508例中、CMV D+/R-のためVGCVの予防投与が行われ、CMV抗体を追跡した41例を対象とし、導入免疫抑制をTACER/MMF/EVRで行った25例(EVR)と、TACER/MMF/MP or notで行った16例(Cont)の2群に分けて、患者背景、予防投与期間、1年以内のCMV初感染率と時期、治療方法、CMV抗体獲得率を検討した。【結果】移植時年齢、性別、ハイリスク免疫抑制、1年以内の急性拒絶反応の発生率につい...

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Published in移植 Vol. 55; no. Supplement; p. 385_2
Main Authors 佐々木, 元, 高本, 大路, 樋口, はるか, 高田, 祐輔, 平野, 哲夫, 原田, 浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2020
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Summary:【背景】免疫抑制導入期からのEVR投与がCMV感染を減少させる報告がありハイリスク症例である当科のCMV D+/R-症例を検証した。【対象と方法】2006-2019迄の腎移植508例中、CMV D+/R-のためVGCVの予防投与が行われ、CMV抗体を追跡した41例を対象とし、導入免疫抑制をTACER/MMF/EVRで行った25例(EVR)と、TACER/MMF/MP or notで行った16例(Cont)の2群に分けて、患者背景、予防投与期間、1年以内のCMV初感染率と時期、治療方法、CMV抗体獲得率を検討した。【結果】移植時年齢、性別、ハイリスク免疫抑制、1年以内の急性拒絶反応の発生率について2群間に差はなかった。予防投与期間(月数)に差はなく(EVR: 5.3,  Cont: 4.2)、1年以内の初感染率は共に68%である一方、その発生時期(移植後月数)はEVR群で有意に遅かった。(EVR: 7.8, Cont: 6, p=0.04)。またCMV diseaseにてGCVを要した症例はEVRで有意に少なかった。(EVR: 52%,  Cont: 90%, p=0.04) 最終的なCMV抗体獲得率には差がなかった。(EVR: 80%, Cont: 87%)【結語】導入期からのEVRが、VGCVの予防投与後のCMV初感染を遅らせ、CMV diseaseの発生を抑制した可能性がある。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.55.Supplement_385_2