大腿骨遠位を最初に切骨する Dependent cut 法のコンセプトと現状における問題点 Joint gap control法という概念の提唱

「緒言」人工膝関節置換術において, 大腿骨コンポーネントの外旋度の決定法には2つの方法がある(表1). 現在, 主に行われているのはIndependent cut法であるが, 我々のこれまでの研究によって, 解剖学的バリエーションの大きい日本人では, Independent cut法では, その信頼性に限界がある事が判明しており, 我々はDependent cut法を採用している3-5). Dependent cut法でも2つの術式があるが, いわゆるclassic method法と呼ばれる方法では, 大腿骨の外旋度(AP切骨)を決定した後に大腿骨遠位の切骨を行うため, やはり, 前額面におけ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 51; no. 4; pp. 723 - 728
Main Authors 赤木, 博安, 長嶺, 隆二, 原, 俊彦, 前川, 正幸, 加茂, 洋志, 中島, 聡, 杉岡, 洋一, 白仁田, 厚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2002
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.51.723

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Summary:「緒言」人工膝関節置換術において, 大腿骨コンポーネントの外旋度の決定法には2つの方法がある(表1). 現在, 主に行われているのはIndependent cut法であるが, 我々のこれまでの研究によって, 解剖学的バリエーションの大きい日本人では, Independent cut法では, その信頼性に限界がある事が判明しており, 我々はDependent cut法を採用している3-5). Dependent cut法でも2つの術式があるが, いわゆるclassic method法と呼ばれる方法では, 大腿骨の外旋度(AP切骨)を決定した後に大腿骨遠位の切骨を行うため, やはり, 前額面におけるアライメントが不適切になる可能性がある. 従って, 我々は, 大腿骨遠位を最初に切骨するDependent cut法が日本人には最も適した手術法だと考えている. さらに, 膝屈曲角度増大のため, また, 後十字靭帯のコントロールが困難なため, PSタイプのシステムを採用し, そのため, 膝屈曲90度でも膝伸展位と同様の安定性を確実に獲得するための手術手技として, Joint gap control法の概念を確立した. 本研究では, 本法のコンセプトを紹介し, その利点および現状における問題点について検討を加えた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.51.723