幼児に生じた慢性化膿性下顎骨骨髄炎の1例

乳幼児の顎骨骨髄炎は, 顎骨の特性から反応性の骨増殖を示すGarre骨髄炎がその大半を占めており, 慢性化膿性顎骨骨髄炎の発生頻度は皮質骨が未完成であり骨髄に富む幼児では低いとされている. 今回, われわれは, 顔貌に変化を来した幼児の慢性化膿性下顎骨骨髄炎の1例を経験したので, その臨床的概要と幼児の本疾患に対する高気圧酸素療法の有用性について報告する. 症例 患者:5歳, 男児. 主訴:右頬部の腫脹. 初診:平成8年3月25日. 家族歴:特記事項なし. 既往歴:特記事項なし. 現病歴:平成8年2月20日Eに歯痛が発現し, 2月22日より右頬部に腫脹を来したため近くの歯科を受診して, Eの歯...

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Published in小児口腔外科 Vol. 8; no. 2; pp. 18 - 24
Main Authors 川島, 清美, 有川, 和宏, 山口, 孝二郎, 石神, 哲郎, 新田, 哲也, 堂籠, 博, 向井, 洋, 庄村, 兼治, 吉田, 雅司, 杉原, 一正, 久保, 博明, 上川, 善昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児口腔外科学会 25.12.1998
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ISSN0917-5261
1884-6661
DOI10.11265/poms1991.8.2_18

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Summary:乳幼児の顎骨骨髄炎は, 顎骨の特性から反応性の骨増殖を示すGarre骨髄炎がその大半を占めており, 慢性化膿性顎骨骨髄炎の発生頻度は皮質骨が未完成であり骨髄に富む幼児では低いとされている. 今回, われわれは, 顔貌に変化を来した幼児の慢性化膿性下顎骨骨髄炎の1例を経験したので, その臨床的概要と幼児の本疾患に対する高気圧酸素療法の有用性について報告する. 症例 患者:5歳, 男児. 主訴:右頬部の腫脹. 初診:平成8年3月25日. 家族歴:特記事項なし. 既往歴:特記事項なし. 現病歴:平成8年2月20日Eに歯痛が発現し, 2月22日より右頬部に腫脹を来したため近くの歯科を受診して, Eの歯肉膿瘍の診断にて切開を受けた. その後も頬部の腫脹は漸次増大したために外科へ転医し, 歯性感染症と診断され他歯科を紹介され, 顎炎を疑われて当科を紹介されて受診した.
ISSN:0917-5261
1884-6661
DOI:10.11265/poms1991.8.2_18