イオン交換分離/誘導結合プラズマ質量分析法による半導体用シリコンウェハー中の微量ヒ素の定量

半導体用シリコンウェハー中の微量Asを高精度に定量するために,湿式酸分解法と誘導結合プラズマ質量分析法を組み合わせた最適条件を検討した.シリコンウェハーの分解に用いられる一般的な硝酸/フッ化水素酸系溶液ではAsが約50~90% 揮散することが分かったため,はじめに6% 過マンガン酸カリウムを添加し,Asを5価に酸化することで硝酸/フッ化水素酸系においてもAsを揮散させずに分解する前処理法を検討した.更にマトリックスであるK及びMnとAsを分離するために陽イオン交換分離法を用い,誘導結合プラズマ質量分析装置で測定することで高精度のAsの定量が可能となった.本法の相対標準偏差(%RSD)はn=4で...

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Published in分析化学 Vol. 52; no. 12; pp. 1181 - 1185
Main Authors 小塚, 祥二, 竹中, みゆき, 立部, 哲也, 山田, 裕司, 富田, 充裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 2003
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.52.1181

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Summary:半導体用シリコンウェハー中の微量Asを高精度に定量するために,湿式酸分解法と誘導結合プラズマ質量分析法を組み合わせた最適条件を検討した.シリコンウェハーの分解に用いられる一般的な硝酸/フッ化水素酸系溶液ではAsが約50~90% 揮散することが分かったため,はじめに6% 過マンガン酸カリウムを添加し,Asを5価に酸化することで硝酸/フッ化水素酸系においてもAsを揮散させずに分解する前処理法を検討した.更にマトリックスであるK及びMnとAsを分離するために陽イオン交換分離法を用い,誘導結合プラズマ質量分析装置で測定することで高精度のAsの定量が可能となった.本法の相対標準偏差(%RSD)はn=4で1.2~1.9% であった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.52.1181