オクチルフタリド浴の慢性関節リウマチ (RA) に対する効果

• Published in: 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 58; no. 3; pp. 174 - 179
• Main Authors: 古田, 栄一, 吉岡, 和則, 佐藤, 広隆, 萬, 秀憲, 一番ケ瀬, 義彦, 田原, 亨, 安田, 正之, 延永, 正
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 1995; 日本温泉気候物理医学会
• ISSN: 0029-0343; 1884-3697
• DOI: 10.11390/onki1962.58.174

オクチルフタリド浴(OP浴)の慢性関節リウマチ(RA)への効果について, 外観, 芳香が同じプラセボ浴剤を用いて二重盲検比較試験を行なった. オクチルフタリドを含んだ入浴剤は40℃の温水に10ppmの濃度で溶解させた. 20人のRA患者(OP浴10例, プラセボ浴10例)について単回浴試験を行ない, 33人(OP浴16例, プラセボ浴17例)について4週間の連続浴試験を行なった. 単回浴試験では, OP浴群にて握力, 20m歩行時間, 圧痛関節スコアのいずれの項目にても有意な改善をみとめたが, プラセボ浴群では20m歩行時間, 圧痛関節スコアにのみ有意な改善を認めた. 4週間連続浴では, OP浴群にて圧痛関節スコアに有意な改善を認め, Lansbury活動指数に改善傾向を認めたが, プラセボ浴群ではいずれの項目でも改善を認めなかった. 以上よりオクチルフタリド浴はRAに有効であることが示唆された. 慢性関節リウマチ(RA)に対して, 温泉療法が古くからおこなわれており, RA治療の一端を担ってきた1).