顔面形態分類チャートによる顎顔面形態診断

「はじめに」顎変形症は顎, 顔面の変形と咬合の異常を主徴とする症候群で, その診断名には顔面変形や不正咬合の症候名がそのまま適用されることが多い. 不正咬合の診断は, 臼歯の咬合状態や前歯の被蓋関係をAngleの分類や高橋の分類などの定義に従って判定し, 該当する症候名が一義的に選択される. 一方, 顔面形態の診断は, 顔面全体の中での相対的不調和を主観的に判断していると考えられ, 診断する者の主観に依存する部分が大きい. また, 顔面形態の分類に統一性がないため, 類似した症例でも診断者が変われば異なる診断名がつけられることになり, 術者間あるいは施設間でのコミュニケイションの障害になってい...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 6; no. 2; pp. 162 - 169
Main Authors 古田, 治彦, 福田, 仁一, 本田, 武司, 久保, 誼修, 深谷, 昌彦, 宇治, 寿隆, 都, 温彦, 升井, 一朗, 白数, 力也, 喜久田, 利弘, 鴛海, 美帆, 吉田, 憲司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 31.10.1996
日本顎変形症学会
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd1991.6.162

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Summary:「はじめに」顎変形症は顎, 顔面の変形と咬合の異常を主徴とする症候群で, その診断名には顔面変形や不正咬合の症候名がそのまま適用されることが多い. 不正咬合の診断は, 臼歯の咬合状態や前歯の被蓋関係をAngleの分類や高橋の分類などの定義に従って判定し, 該当する症候名が一義的に選択される. 一方, 顔面形態の診断は, 顔面全体の中での相対的不調和を主観的に判断していると考えられ, 診断する者の主観に依存する部分が大きい. また, 顔面形態の分類に統一性がないため, 類似した症例でも診断者が変われば異なる診断名がつけられることになり, 術者間あるいは施設間でのコミュニケイションの障害になっていると思われる. そこで私たちは, 顎変形症の診断を基準化することを目的に, 顔面変形の診査項目と手順および診断名を整理して, 顔面形態分類チャート試案を作成し日本顎変形症学会誌6巻1号において発表した1). 今回, 著者らの所属する口腔外科5施設を受診した顎変形症患者のうち, 顔面形態分類チャートを適用した症例を対象に, 診断別症例数と頻度, 診断と顔面形態所見との関係について検討したので報告する.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.6.162