心房中隔欠損症に対するAMPLATZERTM Septal Occluder留置後の心房細動に対し,中隔穿刺アプローチで安全に肺静脈隔離アブレーションに成功した1例

症例は63歳の女性.2009年より呼吸困難が出現し,その原因として心房中隔欠損症(ASD)が考えられた.2011年(当時59歳)に症状が悪化し二次孔欠損型ASDであったため,外科手術ではなくカテーテル治療のAMPLATZERTM Septal Occluderを用いた閉鎖術が行われた.以後自覚症状なく良好に経過していたが,2014年頃より動悸を自覚するようになり,近医で心房細動(AF)の診断を受けた.その後も月1回以上発作が出現したため,2015年に心房細動アブレーション(肺静脈隔離術:PVI)が施行された.肺動脈造影にて左房・肺静脈の解剖学的位置関係を確認し,心腔内エコー(AcuNav)下に...

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Published inShinzo Vol. 48; no. SUPPL.2; pp. S2_36 - S2_42
Main Authors 福永, 俊二, 藤野, 紀之, 篠原, 正哉, 小林, 建三郎, 池田, 隆徳, 鈴木, 健也, 湯澤, ひとみ, 小池, 秀樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 30.12.2016
Japan Heart Foundation
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.48.S2_36

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Summary:症例は63歳の女性.2009年より呼吸困難が出現し,その原因として心房中隔欠損症(ASD)が考えられた.2011年(当時59歳)に症状が悪化し二次孔欠損型ASDであったため,外科手術ではなくカテーテル治療のAMPLATZERTM Septal Occluderを用いた閉鎖術が行われた.以後自覚症状なく良好に経過していたが,2014年頃より動悸を自覚するようになり,近医で心房細動(AF)の診断を受けた.その後も月1回以上発作が出現したため,2015年に心房細動アブレーション(肺静脈隔離術:PVI)が施行された.肺動脈造影にて左房・肺静脈の解剖学的位置関係を確認し,心腔内エコー(AcuNav)下にAMPLATZERTMの後方下縁卵円窩を狙い,心房中隔穿刺に成功した.1回穿刺,2シースにて型通り両側PVIを行った.最後に,肺動脈造影を再度行い,僅かな左右シャントを確認し終了とした.本邦ではAFを合併したAMPLATZERTM留置症例に対する心房中隔穿刺の報告は少なく,安全にPVIを施行しその後の経過も良好のため報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.48.S2_36