当院における腎代替療法選択外来の現状~適切なSDMにより移植希望者は増加する

【背景】腎代替療法の選択には医師-患者間におけるShared Decision Making(SDM)が重要である。しかし、時間の限られた外来業務の中では、適切なSDMを行うことが難しい場合がある。今回我々は通常の腎臓内科外来とは別に腎代替療法選択外来を新設し、SDMの実践が腎代替療法選択へ与える影響を検討した。【対象と方法】2018年7月~2020年4月に腎代替療法選択外来(腎代替療法に精通した看護師からの説明含む)を受診した42例について後ろ向きに検討を行った。また2017年4月~2020年3月までに当院にて腎代替療法の選択・導入を行った91例をコントロール群とした。【結果】腎代替療法外来...

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Published in移植 Vol. 55; no. Supplement; p. 363_1
Main Authors 縄野, 貴明, 小林, 傑, 田中, 智視, 藤田, 耕太郎, 渡部, 紗由美, 荒海, 光良, 工藤, 光介, 渡辺, 昌文, 西田, 隼人, 福原, 宏樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2020
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Summary:【背景】腎代替療法の選択には医師-患者間におけるShared Decision Making(SDM)が重要である。しかし、時間の限られた外来業務の中では、適切なSDMを行うことが難しい場合がある。今回我々は通常の腎臓内科外来とは別に腎代替療法選択外来を新設し、SDMの実践が腎代替療法選択へ与える影響を検討した。【対象と方法】2018年7月~2020年4月に腎代替療法選択外来(腎代替療法に精通した看護師からの説明含む)を受診した42例について後ろ向きに検討を行った。また2017年4月~2020年3月までに当院にて腎代替療法の選択・導入を行った91例をコントロール群とした。【結果】腎代替療法外来を受診した全例を、後期研修医を含む卒後10年未満の若手腎臓内科医が担当した。一方、コントロール群での若手腎臓内科医による選択肢呈示は91例中62例であり、ほかは経験年数10年以上の腎臓専門医が担当した。コントロール群では、80例がHD(88%)を、6例がPD(7%)を、5例(5%)が腎移植を希望した。腎代替療法選択外来を受診した42例中、終了時点にて8例がHD(19%)、13例がPD(31%)、8例(19%)が腎移植を希望し、残りの13例は未定であった。【結論】若手腎臓内科医による腎代替療法選択外来によるSDMは、PDと腎移植希望者を増加させた。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.55.Supplement_363_1