フルタイド®を適切に使用するための患者モニタリング 第1報操作性評価と患者満足度

「緒言」近年, 喘息および慢性閉塞性肺疾患において, ステロイド吸入療法は薬物治療の重要な役割のひとつを担っている1). しかし, 従来の定量噴霧式吸入薬(metered-dose inhaler:MDI)はフロンガスの全廃, 薬物送達の不確実さなどの問題を抱えている2-4). ドライパウダー吸入薬であるプロピオン酸フルチカゾン(フルタイド(R))は, これらの問題点のいくつかを改善する薬剤として開発された. MDIと異なり駆出ガスを必要とせず, 吸入効率が患者の吸入動作のタイミングに影響を受けない呼吸作動性の吸入器のひとつであるディスクヘラー(R)は, このパウダー状の治療薬を吸入させる目的...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療薬学 Vol. 28; no. 4; pp. 347 - 352
Main Authors 大森, 栄, 宮尾, 素子, 久保, 恵嗣, 小泉, 玲, 百瀬, 泰行, 藤本, 圭作, 前澤, 佳代子, 全田, 浩, 山口, 伸二, 太田, 伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.08.2002
日本医療薬学会
Online AccessGet full text
ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.28.347

Cover

More Information
Summary:「緒言」近年, 喘息および慢性閉塞性肺疾患において, ステロイド吸入療法は薬物治療の重要な役割のひとつを担っている1). しかし, 従来の定量噴霧式吸入薬(metered-dose inhaler:MDI)はフロンガスの全廃, 薬物送達の不確実さなどの問題を抱えている2-4). ドライパウダー吸入薬であるプロピオン酸フルチカゾン(フルタイド(R))は, これらの問題点のいくつかを改善する薬剤として開発された. MDIと異なり駆出ガスを必要とせず, 吸入効率が患者の吸入動作のタイミングに影響を受けない呼吸作動性の吸入器のひとつであるディスクヘラー(R)は, このパウダー状の治療薬を吸入させる目的でデザインされている. フルタイド(R)は海外において, 臨床効果やその操作性の簡便さなどの評価が得られている5-8). 国内でも市販後, いくつかの施設によりフルタイド(R)に関する評価の報告がなされている9-11). 当院ではフルタイド(R)の操作性を評価するために吸入指導時にセット操作および吸入動作の習得度を確認するとともに, 再来院時にも再度同項目の判定を行った. 加えて, 患者へのアンケートも併せて実施し, 従来のMDIとの比較と患者満足度について調査を行ったので報告する.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.28.347