先行的腎移植における骨ミネラル代謝異常

【目的】先行的腎移植(PEKT)での慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)を検討した。【方法】2006-2019年の生体腎移植206例のうち、PEKT群(77例)と非PEKT群(129例)における術前、1週、3ヶ月、1年後のintactPTH(iPTH、pg/ml)、補正血清カルシウム値(Ca、mg/dl)、血清リン値(P、mg/dl)を比較した。【結果】術前iPTH(PEKT群vs非PEKT群)は367.3±291.8vs230.4±203.6 (p<0.05)とPEKT群で有意に高値であったが、術後は有意差を認めなかった。術前、1年後Caは8.8±0.7vs9.3±0....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in移植 Vol. 55; no. Supplement; p. 391_3
Main Authors 横山, 直己, 石村, 武志, 田代, 裕己, 藤本, 卓也, 遠藤, 貴人, 西岡, 遵, 小川, 悟史, 藤井, 秀毅, 西, 愼一, 藤澤, 正人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2020
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:【目的】先行的腎移植(PEKT)での慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)を検討した。【方法】2006-2019年の生体腎移植206例のうち、PEKT群(77例)と非PEKT群(129例)における術前、1週、3ヶ月、1年後のintactPTH(iPTH、pg/ml)、補正血清カルシウム値(Ca、mg/dl)、血清リン値(P、mg/dl)を比較した。【結果】術前iPTH(PEKT群vs非PEKT群)は367.3±291.8vs230.4±203.6 (p<0.05)とPEKT群で有意に高値であったが、術後は有意差を認めなかった。術前、1年後Caは8.8±0.7vs9.3±0.8 (p<0.05)、9.3±0.4vs9.6±0.6 (p<0.05) とPEKT群で有意に低値であった。術前P値は4.8±1.0vs5.3±1.6 (p<0.05)と非PEKT群で有意に高値であったが、1週後P値では2.3±0.9vs1.7±0.6 (p<0.05)と非PEKT群で有意に低値となった。【考察】PEKT群で術後iPTHは非PEKT群と同等であったがCaは低値で経過し、CKD-MBDに対し有利である可能性が示唆された。PEKT群の術前iPTH高値は腎不全によるクリアランス低下の要素もあると考えられた。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.55.Supplement_391_3