被監視感が主観的幸福度・社会的選好に与える影響:クラウドソーシングを用いた実験から

本研究においては,「誰かに見られていると感じること」を「被監視感」と定義する。その上で,第1者被監視感・第2者被監視感・第3者被監視感などの社会的監視と,超自然的存在被監視感が社会的選好並びに主観的幸福度に対して与える影響について,クラウドソーシングを用いて調査した。主観的幸福度に対して,被監視感を媒介変数として分析を行った結果,直感性因子が超自然的存在被監視感を部分媒介変数として主観的幸福度にポジティブな影響を与えることが明らかとなった。同様に,社会的選好に対しては,直感性因子が超自然的存在被監視感を完全媒介変数として向社会性にポジティブな影響を与えることが明らかとなった。したがって,いずれ...

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Published in社会情報学 Vol. 11; no. 3; pp. 1 - 17
Main Author 後藤, 晶
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 社会情報学会 31.03.2023
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ISSN2187-2775
2432-2148
DOI10.14836/ssi.11.3_1

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Summary:本研究においては,「誰かに見られていると感じること」を「被監視感」と定義する。その上で,第1者被監視感・第2者被監視感・第3者被監視感などの社会的監視と,超自然的存在被監視感が社会的選好並びに主観的幸福度に対して与える影響について,クラウドソーシングを用いて調査した。主観的幸福度に対して,被監視感を媒介変数として分析を行った結果,直感性因子が超自然的存在被監視感を部分媒介変数として主観的幸福度にポジティブな影響を与えることが明らかとなった。同様に,社会的選好に対しては,直感性因子が超自然的存在被監視感を完全媒介変数として向社会性にポジティブな影響を与えることが明らかとなった。したがって,いずれも直感的に超自然的存在による被監視感を抱くことが重要であるといえる。これらの結果は,監視主体として想定される存在により,主観的幸福度ならびに社会的選好が異なり得ることを指摘しており,特に超自然的存在の現代的な意義について再検討する必要があることを示唆している。
ISSN:2187-2775
2432-2148
DOI:10.14836/ssi.11.3_1