ABO血液型不適合腎移植における抗体関連型拒絶反応(ABMR)の移植前リスク評価

【背景】ABO血液型不適合腎移植(ABO-i)の成績は向上し、現在解決すべき課題は急性抗体型拒絶反応(ABMR)と、過剰免疫抑制による感染症である。我々は、移植後のABMRを回避し、感染症を抑え、移植腎の免疫順応(accommodation)を引き出すために、ABO-iプロトコール適応基準を置いている。【方法】傾向スコアマッチングにより抽出したABO-iレシピエント血清42検体(ABMR =14,non-ABMR=28)抗A抗体価は、赤血球凝集反応と赤血球FCM法を用い、total IgG/IgM、IgGサブクラス測定、C1q assayを行った。【結果】total Ig中央値は(ABMR=6...

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Published in移植 Vol. 55; no. Supplement; p. 307_2
Main Authors 三輪, 祐子, 岩﨑, 研太, 岡田, 学, 友杉, 俊英, 渡井, 至彦, 堀見, 孔星, 奥村, 真衣, 木下, 航平, 石山, 宏平, 小林, 孝彰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2020
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Summary:【背景】ABO血液型不適合腎移植(ABO-i)の成績は向上し、現在解決すべき課題は急性抗体型拒絶反応(ABMR)と、過剰免疫抑制による感染症である。我々は、移植後のABMRを回避し、感染症を抑え、移植腎の免疫順応(accommodation)を引き出すために、ABO-iプロトコール適応基準を置いている。【方法】傾向スコアマッチングにより抽出したABO-iレシピエント血清42検体(ABMR =14,non-ABMR=28)抗A抗体価は、赤血球凝集反応と赤血球FCM法を用い、total IgG/IgM、IgGサブクラス測定、C1q assayを行った。【結果】total Ig中央値は(ABMR=69845, non-ABMR=16794)で、 ROC曲線のcut off値は、赤血球凝集反応の64倍であった。またIgGサブクラスは有意差を認めなかった。一方C1q-DTT (IgM不活化) 陽性率(%)は(ABMR=9.6%, non-ABMR=6.2% P<0.05) cut off値7.5%であった。【結論】上記の結果より現在ABO-iプロトコールとして IgG32倍以下、C1q-DTT 7.5%以下の場合リツキサン投与(freeおよび1回), 血漿交換(DFPP)を2回施行する、脱感作減量プロトコールを実施している。今後このプロトコールを用いた症例の詳細な解析が必要と思われる。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.55.Supplement_307_2