国立病院機構における治験の質の評価 ある治験依頼者が行ったアンケート調査結果

2005年から2006年の間に, 国立病院機構の病院で治験にかかわったグラクソ・スミスクラインのモニター27名を対象にして, 国立病院機構の「治験責任医師」, 「事務局」, 「治験コーディネーター: Clinical Research Coordinator (以下CRCと略)」の治験への対応の印象度をアンケートで調査し, 各調査項目を点数化して評価した. その結果, 調査項目のうちで, 「アポイントの取りやすさ」は, 「治験責任医師」・「事務局」・「CRC」の3者の調査項目のなかでよい点数が付けられ, 「治験責任医師」と「事務局」において調査した「直接閲覧への協力」も, よい点数であった....

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Published in医療 Vol. 62; no. 6; pp. 337 - 346
Main Authors 伊藤, 澄信, 梅原, 貞臣, 岩崎, 甫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.06.2008
国立医療学会
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Summary:2005年から2006年の間に, 国立病院機構の病院で治験にかかわったグラクソ・スミスクラインのモニター27名を対象にして, 国立病院機構の「治験責任医師」, 「事務局」, 「治験コーディネーター: Clinical Research Coordinator (以下CRCと略)」の治験への対応の印象度をアンケートで調査し, 各調査項目を点数化して評価した. その結果, 調査項目のうちで, 「アポイントの取りやすさ」は, 「治験責任医師」・「事務局」・「CRC」の3者の調査項目のなかでよい点数が付けられ, 「治験責任医師」と「事務局」において調査した「直接閲覧への協力」も, よい点数であった. 一方, 対象別では, 「GCPの理解度・遵守度」は, 「事務局」, 「CRC」にはよい点数が付けられたが, 「治験責任医師」の点数は低かった. また, 「事務局」においては, 「書類処理能力」と「訪問回数が少ない」の評価項目に低い点数が付けられ, 「CRC」では, 「創意・工夫度」が最も低い点数であり, 「CRC」の継続教育の重要性が示唆された. これら治験依頼者が実施したアンケート調査結果は, 医療機関側の治験実施環境を第三者的に評価したもので, 医療機関側からみた治験依頼者へのアンケートも同様に実施すれば, お互いの治験環境改善のコミュニケーションツールとして有効に使用できるものと考えられた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.62.337