Aztreonamの女性性器移行性に関する研究
近年のβ-Lactam系抗生物質の開発は目ざましいものがあり, 広く臨床で使用されているが, Pseudomonas aeruginosaを初めとするブドウ糖非発酵菌に対する抗菌力は, いまだ不十分で, β-Lactamaseに対する安定性にも問題が残されている1)。 Aztreonam (AZT) はL-Threonineから全合成された新しいMonobactam系抗生物質で, Fig. 1に示す構造式を有し, 2環系β-Lactam抗生物質に共通して存在する5員環あるいは6員環の代りに, 単環のN1位にスルホン酸基が置換されたもので, これがβ-Lactam環を活性化する。従つてSerra...
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Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 38; no. 12; pp. 3666 - 3673 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
1985
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ISSN | 0368-2781 2186-5477 |
DOI | 10.11553/antibiotics1968b.38.3666 |
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Summary: | 近年のβ-Lactam系抗生物質の開発は目ざましいものがあり, 広く臨床で使用されているが, Pseudomonas aeruginosaを初めとするブドウ糖非発酵菌に対する抗菌力は, いまだ不十分で, β-Lactamaseに対する安定性にも問題が残されている1)。 Aztreonam (AZT) はL-Threonineから全合成された新しいMonobactam系抗生物質で, Fig. 1に示す構造式を有し, 2環系β-Lactam抗生物質に共通して存在する5員環あるいは6員環の代りに, 単環のN1位にスルホン酸基が置換されたもので, これがβ-Lactam環を活性化する。従つてSerratia marcescens, Enterobacter, P. aeruginosaを含むグラム陰性桿菌及びグラム陰性球菌に対し, 強い抗菌力を示すと共に, グラム陰性菌が産生する各種β-Lactamaseに対して極めて安定である2)。 産婦人科領域での感染症に抗生剤を使用する場合, その選択の指標として, in vitro抗菌力の有用性もさることながら, 抗生剤の体内動態, 特に性器組織内への移行性の検討も極めて有用である。 今回,著者は本剤の子宮及び子宮付属器への移行性について検討したので, その成績について報告する。 |
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ISSN: | 0368-2781 2186-5477 |
DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.38.3666 |