新生児, 乳児におけるImipenem/Cilastatin sodiumの臨床投与成績と薬物動態

Imipenem/Cilastatin sodium (IPM/CS) を23例の新生児及び幼若乳幼児の感染症患者に投与し, その臨床効果と副作用及び薬物動態を検討した。臨床投与成績は16例について検討した。本剤の適応と考えられた敗血症3例, 髄膜炎1例, 肺炎1例, 敗血症疑い11例における投与成績は著効2例, 有効12例であった。副作用は合計23例について検討したが, 臨床上, 下痢と潮紅が1例ずつ, 検査値異常ではGOT, GPTの上昇が1例, GOTだけの上昇が2例にみられた。 薬物動態は7例で検討した。IPM/CSを20mg/20mg/kg (以後IPMの量だけ表す) を30分と60...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 41; no. 11; pp. 1650 - 1656
Main Authors 坂田, 宏, 梯, 仁志, 藤田, 晃三, 室野, 晃一, 帰山, 雅人, 岡, 敏明, 吉岡, 一, 佐々木, 暢彦, 森, 善樹, 丸山, 静男, 印鑰, 史衛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 1988
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:Imipenem/Cilastatin sodium (IPM/CS) を23例の新生児及び幼若乳幼児の感染症患者に投与し, その臨床効果と副作用及び薬物動態を検討した。臨床投与成績は16例について検討した。本剤の適応と考えられた敗血症3例, 髄膜炎1例, 肺炎1例, 敗血症疑い11例における投与成績は著効2例, 有効12例であった。副作用は合計23例について検討したが, 臨床上, 下痢と潮紅が1例ずつ, 検査値異常ではGOT, GPTの上昇が1例, GOTだけの上昇が2例にみられた。 薬物動態は7例で検討した。IPM/CSを20mg/20mg/kg (以後IPMの量だけ表す) を30分と60分で点滴静注した例がそれぞれ3例, 10mg/kgを60分で点滴静注した例が1例である。20mg/kg投与症例のIPM血清中濃度は点滴静注終了時で18.0~96.9μg/ml,CSは31.7~144.5μg/mlであつた。血清中半減期はIPMが1.2~2.0時間, CSが1.4~2.7時間であった。尿中回収率は5例で検討したが, ばらっきがあるものの0~6時間でIPMが12.5~26.3%, CSは14.9~57.6%であった。髄膜炎の1例で第3病日と第7病日に髄液の移行性を検討した。投与後, 2.75時間と3.5時間でIPMの髄液移行性はそれぞれ23.8%と19.1%であった。CSは検出されなかった。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.41.1650